第十八話 本戦一回戦
「さあ!とんでもなかった予選から3日!本戦の始まりじゃあー!」
「確かにとんでもなかったですね。さて、これから始まるのは騎士団長志望『ローメリック』さんと僕の『変世機』である『ベロボーグ』との対戦です。」
すると僕たちの眼下に広がる闘技場内に、両人が揃った。
「さあ、本戦一回戦初め!」
その一言で、駆けたのはローメリックだった。
「陽光剣!」
彼は、剣に光の刃を発生させベロボーグに斬りかかる。その速度たるやニンジャムーブをしていた男やベロボーグなどのような例外には及ばぬものの普通の騎士とは一線を画す速度を有していた。だが、
「防御成功率30%、反射成功率15%、エネルギー吸収成功率100%」
相手をするのもまた怪物。彼女こそ僕にとって最高傑作と言っても過言では無い存在なのだから、これほどまでに容易に屠ることなど不可能に近い。彼女は、ローメリックが振りかぶった剣を自らの拳で掴む。すると、その刃からは光が消え失せた。
「何!?」
「自らが誇る一撃を防がれたとはいえ、驚愕はしないほうがいいですよ。それは戦闘中において最大の隙と言っても過言ではないですから。」
そう言いながら、彼女は驚愕の顔を見せたローメリックの腹目掛けて拳を振りかざす。次の瞬間、彼は反対側へとベロボーグの掌底を受け吹き飛んだ。
「な、なんなんですか!?今の!ベロボーグさんが、掴んだら剣から光が消え失せましたが!?」
「あれは完全にローメリックさんの能力と、ベロボーグの相性が悪すぎましたね。おそらく、ローメリックさんの能力は陽光を自らの力として振るう能力。ですがベロボーグは日光の力を自由に吸収して動くようになっています。だからこそ、彼女が掴んだ刃からは光が失われたわけです。」
「な、なるほど。てことはローメリックさんの勝機はもうないわけですか?」
「さて、それはどうでしょうか。僕の彼の能力についての予測が正しければ…いえ、これ以上はやめておきましょう。楽しみが減るという物です。」
すると、彼が砂煙に包まれながら歩いてきてベロボーグに向けて言葉を発した。
「すまないね、正直少女だからと甘くみた。故に、私自身への戒めとして本来であれば使う予定のない技を私も使おう。君も全力で来てはくれないか?」
「ええ、構いませんよ。」
「ありがとう。礼を言おう。そして、全力で戦おう。『変世機』能力解放。『汝、太陽の寵児』」
その一言で、彼の肉体は陽光に包まれた。そして、彼の足元をよく見てみるとあまりの高熱によって石畳すらも溶けてしまっているようだ。
「なるほど、それが貴方の『変世機』の本質。要綱で形成された刃も熱で持って攻撃を溶かす盾すらもその太陽のエネルギーを身に纏う能力の前座に過ぎなかったわけですか。しからば、私も現在の権限でできる全力を持ってお相手をさせてもらいます。よろしいですか、創造主様?」
「ああ!君が全力を出すというのだ。それを見届けてやらねば、君の主人は名乗れないよ。全力で相手をしてあげなさい!」
「承知しました、やはり私の創造主様は至高ですね。『第三分体に許された限界値まで能力最上解放。『汝は太陽から生まれたもの、汝は地下冥界の王、故にこの力は決して太陽にすらも負けることはなくこの力は常に不条理を打ち砕く。』」
その瞬間、彼女の肉体が最高潮に達した。
「な、なんなんですかあれ!?しかも第三文体?どういうことですか!」
「シー。今はお静かに。彼女が珍しく、自ら求めたことなのです。優しく見守らせてください。あとで詳しく説明しておきますので。」
そう言い終えると、ベロボーグの観戦へと戻った。
「この巡り合わせに感謝しよう。『汝は湖の乙女に渡されたもの、汝陽光のもと常に輝き続けるもの、汝が名は『陽光の聖剣!』」
彼が振り下ろしたるは、まさに白く染まった炎が如き刃
「こちらこそ、ありがとうございます。『私は、許しましょう。私は、浄化しましょう。私は、凍吐かせましょう。私は加速させましょう。力をお借りします。貴方が名は『空に浮かびし蛇の神』」
彼女が放つは、黒色に染まり切った蛇神がごとき一撃。
その二つはぶつかり合う。だが、神の名を冠するものの一撃。彼が放った炎には、到底受け入れ切れるものではなかった。
その刹那、その蛇は炎を喰らい彼へと向かって一直線に向かっていった。そして、彼は避けもせずただその事実を受け入れ一言、
「ああ、悔しいな!」
そのたった一言を残して、彼は死亡した。
「し、勝者ベロボーグ!」
そうして、本戦第一開戦の勝者はベロボーグへと決定した。
ベロボーグが使った技は、ロムルスの技ですね三ヶ月の間に、手にしました。まあ、本人使うの嫌ってますけど。
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