第十七話 予選3
「いやー初っ端からすごかったですね。」
「そうですね。正直言って、僕も『変世機』と職業システムが導入されてから三ヶ月の間でまさかあそこまで使いこなす人がいるとは予想外です。」
「なんか、運営さんみたいなこと言ってません?」
「ははは、言ってて僕もそう思いましたね。ですがまあ、完全に彼らは上澄っていたほうがいいでしょうね。明らかに、有名なプレイヤーは特殊ですし。」
「あ〜確かにそうですね。さて、それでは雑談もここまでにして予選第二回戦開幕だーー!」
アイさんがそう叫ぶと、闘技場に続々と100人のプレイヤーが出現した。
「さて!チェルナさんあなたがこの試合で、面白そうだと思う人は誰ですか?」
「チェ、チェルナさん?まあいいでしょう。そうですね、この試合で面白そうなのは『聖女』さんや、『鎧甲冑』さんなどもスレッドを見ていた限りだと面白そうですが個人的には『怪盗』さんですかね。」
「か、『怪盗』ですか?あのアルセーヌとか3世とかの?つうか私その人の名前見たことも聞いたこともないんですが。」
「ええ、その怪盗です。まあ彼は基本的に色々な宝を狙ってますからね。その関係上、僕が持っていた宝を狙われまして。一ヶ月くらい前ですかね。その時に矛を交えてボコボコにしました。」
「なにそれ私知らない。」
「まあ雑談はここまでにしておきましょう。下の方々も動き出したようですので。」
僕が、下の闘技場に目をやると爆炎が立ち込めた。
「クハハハハ!どうだ見ているかロムルス!お前の敵はここにいる。ここにいるぞ!貴様ら全員かかってくるがいい貴様ら全員を糧にして私はあいつの『変世機』を奪う!」
「それはいただけません。人のものを奪うのは悪いことです。」
「ほう?聖女か。面白い!貴様の『変世機』も奪うとしよう。」
その言葉に固まっていたアイさんが再起動をし、僕に焦ったような表情で問いかけてくる。
「な、なんなんすかあの狂人!?てか『変世機』を奪うってなんなんですか!?そんなことできるんですか!?意味わかりません!」
「そうですね、アイさんは『変世機』に何種類の能力があるのかわかりますか?」
「え?何、種類の?えーっと、えーっと」
「答えはおそらく無限。重ねて質問しますが、アイさんはこの三ヶ月間の間に全くもって同じ能力の『変世機』を見たことはありますか?」
「ない、ですね。」
「そうでしょう。だからこそ、納得のいく話なんです。彼が『変世機』を奪える『変世機』を有しているというのが。」
次の瞬間、聖女の背後に白銀の鎧甲冑を着た軍隊が出現した。
「『天の軍』一斉射撃。」
「ふん、舐めるな『簒奪・獄炎幕』」
その一瞬で聖女の背後に出現した鎧甲冑が『怪盗』に目掛けて大量の弾幕を張り巡らせる。だが流石『怪盗』と言っておこうか彼もまた誰かから奪ったであろう『変世機』を利用して炎の幕を作り出しその大量の弾幕を防ぎ切った。
「何なんすかあの人たち!?普通に考えて名前的に、後衛というか武闘派じゃなさそうな名前なのに何で『聖女』さんはめちゃくちゃ武闘派で『怪盗』さんはそんな『聖女』さんの一斉射撃を無傷で防いでるんですか!?」
「『怪盗』さんの強みは人の『変世機』を奪うことによって増え続ける手札の多さ。その一言に尽きます。それでいて彼は頭の回転がとてつもなく早い。おそらく『才能持ち』というやつでしょうね。」
「生まれ持った才能だかがどうたらこうたらってやつですか?」
「ええ、その認識で構いませんよ。おや、どうやら今度は『怪盗』さんが動くようですよ。」
僕がそういい終えるや否や、彼は自らの『変世機』の力を使い『聖女』へと接近し攻撃を仕掛ける。
「受け取れ、爆弾だ。」
「笑わせないでください。この程度で死ぬとでも?」
そう『聖女』がいい終えた直後『怪盗』が抱えていた爆弾は爆発した。
「いっつつ、うそ!?魔法が使えない!」
『聖女』が余裕だったのは回復魔法を使えるからだったのだろうが、魔法が封印されており使えなくなってしまった『聖女』からは余裕の表情が消えていた。
「これでチェックメイト、と言ったところか。一応、魔封じの爆弾にしておいてよかったぜ。」
そう言って『怪盗』は『聖女』に近づこうとした。次の瞬間
「せい!」
「ちっ、『鎧甲冑』か!」
「その通り。貴様がどんなものなのかは知らぬが、『聖女』ちゃんに手出しはさせぬ!」
「めんどくせえんだよ!お前みたいなのは!」
そうして、『鎧甲冑』と『怪盗』がぶつかり合うその刹那最後のプレイヤーが倒され30人になったことにより予選第二回は終了した。
この三ヶ月間の話も書く予定ですので、乞うご期待!(ちなみに『聖女』さんにはファンクラブがいます。『鎧甲冑』もその一人。)
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