閑話 ソロモンの日常
すみません、短いです。とりあえず三話めには日常回を。
『フローライト・オンライン』からログアウトした僕は、家の玄関を出る。
(正直言って、『フローライト・オンライン』をやりすぎていたからか久しぶりに現実世界で外に出た気がするなあ)
そんなことを思いながら僕は、よく訪れるカフェ『NO TIME』へと向かう。
「おや、こんにちは。今回は随分と前回から間が開きましたね。とはいえどうぞ。以前頼まれて注文をしておいた
エスメラルダ農園のゲイシャ種です。こちらは随分と値が張りましたね。」
僕がドアを開けると、モノクルレンズを右目につけた老紳士名前は知らないが『店長』が挨拶をしてくる。
「ありがとうございます、店長さん。正直言って私も数えるくらいしか飲んだことがなかったので喜ばしいですね。滅多に市場に入りに出されませんから。」
「やはり、そのポリシーは変わっていないのですね。」
「ええ、目上の方もしくは尊敬するに値する方に対しては敬語を使う。それが私の方のようなものですから。まあ目上の方というのもまた、少なくというか完全にいなくなってしまいましたがね。」
その言葉に彼は数秒眼をつむり、口を開く。
「はあ、正直言って私は貴方に尊敬に値すると思われるようなことはした覚えはないのですがね。」
「何をおっしゃいますか。この時代において最高品種であるゲイシャ種それもエスメラルダ農園の代物を取引できるような方が自らを何故卑下するのか理解できませんね。」
「はあ。それでいいですもう諦めます。さて、とりあえず入れてきますので少々お待ちを。」
そう言って、店長は厨房に入っていった。そしてできたコーヒーを目一杯楽しんだ。
(やはり、久しぶりに外に出てみるものだね。中世の雰囲気を持っている『フローライト・オンライン』の世界にはない魅力というものがある。こうして歩いているとより一層それに気づくことができるよ。)
そんなことを考えながら、普段通る散歩道を歩くするとデバイスが振動する。
何事かと思って、画面を見てみるとそこには『フローライト・オンライン』が正式にサービスを開始する旨とアップデートがもうすぐ終わると書かれてあった。
それをみた僕は、すぐさま帰路につき家へと向かった。
ちなみに、エスメラルダ農園のゲイシャ種とは市場最高値で売られたことがある高級コーヒー豆のことです。
(あと店長さんは色々な国と関わりを持っているし、色々なコーヒー豆を取引できてしかもコーヒーを入れるのがすごくうまいです)
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