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五人の覇者  作者: コウモリ
十三人参上
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十三人参上(二)

「地下界が不穏な動きを見せているのは知っているな、天上界王?」

「無論。我が元にも優秀な密偵が何人もいる」

「ならば、話が早い。簡潔に言うと、第二の極界戦争が起き、地上界に何かあったときに守ってほしいんだ」

「…そなたらの力量ならば守れるのではないか?」

天上界王が素直に言った。

「ほー、わし達八人であの広大な世界を守れと申すか」

やはり、バジリスクは少し訛っている。

「地上界とはどれぐらいの広さなのだ?」

「はァ?アンタそんな事も知らずに王なんかしてるの?」

「フッ、わしはあんな弱小世界に興味はないのだ」

「えー、僕にはアイスキャノンをかましてほしいと聞こえましたが」

「いや、そうい…」

「馬鹿言え、俺様にはギガポイズンをしてくれと聞こえたぞ」

「あやま…」

「二人とも耳悪いなー、ギガサンダーに決まってんだろ」

「ごめ…」

「お前ら耳ある?どんな耳でもロックハーデンと聞こえるぜ」

「ほんと…」

「あーも、全員ダメダメ!テラフレアに決まってんだろ?」

耳がイカれてるのは全員である。

「どげ…」

「テラフレア!」

「アイスキャノン!」

「ギガポイズン!」

「ギガサンダー!」

「ロックハーデン!」






王様というのは不思議な生き物で、どんなに技をくらっても全くめげないのである。

現にこの天上界王は、五人全員にメッタうちにされても相手を見、話を聞き、意見を言うことが出来る。

今、嗅覚に関しての情報が無かったが、あまり深く掘り下げはしないので、折れているか、麻痺しているか、異常がないのかはご想像願いたい。

え、首より下の情報も無いって?

フッフッフ、王様というのは不思議な生き物で、打ち首にあっても生きていられる…

ゲホッゲホン、いや、つい口を滑らせてしまった、いや、口を滑らせてなどいない、妄言だ(本当に打ち首ではありません)。

「今度地上界の罵詈雑言を言ったら民の前で晒し首にするからな、覚悟しとけよ」

「はい、すみません…。」

「で、話を続けます。無論あなたに言いたいのは地上界の危機を助けてくれ、という事。」

こういう時に頼れる紳士クラーケンである。きっと、アイスキャノンを撃ったのは別人だ。

「宜しいですか、天上界王?」

「話自体は構わん。だが、具体的な内容が決まっておらんだろう?どれだけの兵力を送れば良いのか、一斉に地下界が攻撃してきた際はどこから優先に対処すれば良いのか…」

五人が迷う。

本当なら、五人が生まれ育った日本を最優先に助けてほしい。だが、冷静に考えるなら欧米を優先させるのが普通。

兵力の方も、今まで戦争を体験した事の無い五人はそういう事が解らない。

こういう時に頼れる仲間を呼ぶのである。

「おーい、水神」

そう、古くは源平の合戦、新しくは第二次世界大戦を経験したのがこの女、水神である。

「呼びましたか」

「はい、思いっきり呼びましたからそーゆー質問はおやめください」

「ねぇ、クラーケン、水神に何か嫌悪感を抱いてない?」

「いいえ」

「…………。」

気を取り直して、バジリスク。

「話と言うのは、緊急時の際地上界にどれだけの兵力を送るか、という事だ」

「そんな事私に言われても解りませんよ」

「でもお前が一番戦争を見てきているんだぞ…?」

「フッ、全部目を背けてきました」

「はァ、ホーント使えませんねぇ、水神さんは」

「クラーケン…。」

作者の思うに、クラーケンは恋心を抱いているのではあるまいか(いや、作者が彼らを創っているのだが)。

クラーケンには絶好の相手である。

同じ水体系、美女。

それを恥ずかしくて告白出来ないため、クラ…

「ただ、私も神。人よりは知識を持っているつもりです」

「マジで!?何か案があるのか!?」

「チッ、いけ好かないですね、水神さんは…。」

とんだ邪魔が入ったが、話を続けよう。

それを恥ずかしくて表せないため、クラーケンは逆…

「天上界王、地上界に兵を送るとしたらそれは地下界軍と戦うというより地上界の人々を避難させる事が中心となります。統率力のある人を送った方がよろしいかと。また、今の内に地上界の人々に全てを打ち明けるという手もあります。そして、地上界の銃やミサイルなどで自己防衛をしてもらう」

「なるほど…。そうすれば天上界の守りも手薄にはならないし、地上界も自分で被害を減らせる…。」

「でもよ、さすがにこっちからの救援0って訳にはいかねーだろ?」

「そうですね、フェニックスさん。そこら辺はまだ議論の余地があります」

もう…クラーケンの恋話は置いておこう。

それよりも、全く議論に参加していない人間が二人いることをご存じだろうか?

そう、リュウとツルギである。

ペガサスが発狂した。

「おい、リュウ、ツルギ!テメーらナニくつろいでやがる!」

「だってカンケー無いもん」

「そうですよ。私は地上に行ったこと一回しかありませんからねぇ」

「ほー、随分と調子のってんじゃねーか。じゃあテメーら何しに来たんだ!」

「僕、総司の話し相手だよ」

「リュウくんは良い話し相手だよ、ペガサスくん」

「お…沖田テメエかばいやがって…。じゃあ、ツルギは何なんだ!」

「私はペガサスさんの彼女ですかンね、ついてきたんですヨ」

「ぐ…。」

ペガサス、自爆している。

しかも、その自爆した火の粉がサンガーに移った(無論比喩)。

「ペガサス、テメエなに雑談してやがる!」

「いや、俺はアイツらを注意しようと…」

飛び火でサンガーが火傷している(無論比喩)。

「嘘つけ!絶対雑談だろォが!」

サンガーの火傷を見て誰かが救急車バジリスクを呼んだらしい。

「どうした、サンガー?」

「ああ、バジリスク。ペガサスがリュウ、ツルギと雑談してたんだ」

「なにィ!?」

「違っ、俺はただ…」

「問答無用!たたっ斬る!」

救急隊員はメス(近藤に記念で貰った日本刀)を取り出すと、

自爆で大怪我を負ったペガサスに…

「いやああああああああああああ」

「うるさいぞお前ら!俺達が真剣に会話してるときに!」

フェニックス、怒。

「罰として、

テラフレア!」

「いやああああああああああああ」

「いやああああああああああああ」

「いやああああああああああああ」



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