十三人参上(一)
「お久しぶりですね、天上界王」
試衛館の五人は沈黙を貫き通していたらしく、これが十三人の第一声となった。
無論、声の主は水神である。
「水神様…千二百年前はどうも…」
天上界王が頭を下げそうな雰囲気である。
「もう私も気にしておりません。そのような事態ではなくなってきました」
「と…申しますと?」
「この事に関してはフェニックスさんから」
「え゛」
フェニックスはいきなりの事に度肝を抜かれた。
「ねぇ、水神、何で俺?」
この言葉に天上界王は戸惑った。
「そっ、そなた身分は知らぬが水神様を呼び捨てにし、タメ口で話すとは…」
「良いのです、天上界王」
水神が遮った。
「最早彼らは私達神を超越しています」
水神の右腕が覇者の五人を示す。
「何と…!」
天上界王の脳裏に最近のニュースがよぎる。
「もしや、そなたらの中に修行の箱を破壊した者がおるのでは…?」
「俺ですかな?」
サンガーが手を挙げた。
「おお、神を超越するなど…!」
その後、全員が名を名乗った。
「そなた方の話は長くなりそうだ。すまぬが、浪士組の案件を先に取り扱っても良いか?」
「ご自由に」
八人は下がった。
「そなたらが浪士組の五人だな?」
「はい」
「これを募った理由はただ一つ。地下界王が死んだ。しかもあやつは最後に迷惑な遺言を残しおった。そなたらは私の警護に当たりかつ、緊急時には戦場の最前線で戦ってもらいたい。良いか?」
「全てを覚悟の上で我々は参りました」
土方が言った。
「よし。では全員この紙にサインせよ」
「うわー、事務的」
「しっ、総司!」
沖田の暴走を斎藤が止めた。
「すいません、育ち盛りのやんちゃ坊主でして」
「ほぅ、わしには成人に見えるが」
「フフ、天上界王、その通り僕は成人だよ」
「こら総司!敬語を使え!」
「構わんぞ」
全員がサインした。
「うむ、これで良い。では、わしに少し剣舞を見せてはくれぬか」
「しかし…彼らとの話は終わっておりますまい?」
「構わぬ。あの中でわしに命令できるのは水神様だけ。その彼女が命令しようとしないのだから」
「では…土方歳三と沖田総司の勝負をお見せいたしましょう」
近藤が二人指名した。
この二人は最も実力が近い。接戦が見られるだろう。
剣舞の披露中。
「なぁクラーケン…。」
「どうしました、フェニックス君」
「俺達五人で天上界王に勝てると思うか…?」
「いきなり不吉なことを…。」
「ちげぇよ…。アイツ俺達が終わってねぇのに悠々と剣の試合なんか見てやがる…。」
「ほぉ、一発カツを入れますか」
「ああ…。
サーカスフレア!」
「アイスキャノン!」
「ギガポイズン!」
「ギガサンダー!」
「ロックハーデン!」
剣舞中の土方、沖田。
「土方さん、何か来たよ…?」
「ありゃあ…ヤバイ奴だな…。」
いち早く察知した斎藤が、
「天上界王、覇者がちょっ…」
ちゅどーん!
「えーと、天上界王さん?さっさと俺様達の話も聞いてくれますかね?」
「…………。」
ペガサスが王様の頭を踏みつけている。
「あ〜らァ、返事がないなぁ。フェニックス」
「はいよ!火葬ならお任せ、テラフ…」
「ストーップ」
王様、復活。
因みに、心の澄んでいる(?)リュウ、ツルギ、水神は素直に時が来るのを待っている。いや、水神が素直なのはちょっと有り得ないかもしれない。
つまり、王様をいじめているのはあの五人だけである。
「解った、先にお前らの話を聞くから足離して」
ペガサスが足を離した。
天上界王が自由になる。
「では、話をどうぞ」
「ああ」
フェニックスは大きく息を吸った。




