二百年大修行 サンガー編(四)
両者まずは、
「ガーディ」
「ガーディ」
守りを固める。
すると、どちらが早いか
「エレクトローダー!」
「エレクトローダー!」
と言い敵に向かっていく。
二人が取っ組み合う。サンガーの右手から雷神の左手、雷神の右手からサンガーの左手に電流が流れる。
言わば、一つの回路だ。
だが、その均衡はすぐに崩れる。
「ハイテンション」
サンガーがレベルを最大級に上げる。
サンガーの手から一方的に電流が流れ始めた。
普通、両手から電流が流れるなんて物理的に不可能なのだが、そこは覇者と神、何でもありである。
雷神も黙ってはいない。
「ハイテンション」
また回路が出来上がる。
サンガーの舌打ち。
二人は手を離した。
これ以上やっても無意味だと判断したらしい。
「お次は『あれ』しかないだろう」
「だな」
敵同士頷き合うと、お互い太鼓とバチを作り出した。
ズドガガガガガガガガガガガガガガ!
ズドガガガガガガガガガガガガガガ!
あり得ない量の雷が砂漠に落ちまくる。
しかも的確に敵を狙うからいくらガーディをしていても辛い。
だが、敵が打つ限りこちらも太鼓を打ち続けなければいけない。
地獄だ。
ズドガガガガガガガガガガガガガガ!
ズドガガガガガガガガガガガガガガ!
もう、どちらが先に倒れるかの根性合戦だ。
と思われた。
「グランドエレキ!」
「がっ…!」
「負けちまったな」
「ただ技のレパートリーが多かっただけだ。あのままやっていたら負けていた」
「全て含めて勝敗だ。やっぱ神には敵わねーな!」
「純粋な力量だとお前の方が上だ」
雷神が勝った。
だが、会話通りあのまま根性合戦が続いていたらサンガーの勝ちだっただろう。
「雷の覇者、雷虎サンガーか…。」
「どうした」
「他の四人の覇者もいるのか?」
「ああ」
「…そいつらに伝えてくれ。神は覇者を友と見なしている、と」
「何じゃそりゃ」
「この世で最も神に近い存在は覇者だ。だから覇者は友。」
「何かアンタよく解んねーこと言うな…。ま、まんま伝えとくよ、お友達」
「フン」
この二百年大修行、神に出会えたのはサンガー最大の収穫だろう。四人にも伝えてやらねばならない。




