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五人の覇者  作者: コウモリ
二百年大修行
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二百年大修行 ペガサス編(三)

数えた結果、相手は五人いる。

一対五。

ちょっとまずい。

「兄ちゃん、どんな攻撃をするんだい?」

「んー、アンタら五人もいるから厄介なんだよねー。あ、あれを使うか」

髪の毛を数本抜くと、ペガサスは

「いってらっしゃい」

と言って髪の毛を投げた。

それは一本一本固く鋭くなり、全員に向かっていった。

「シールド」

「シールド」

「シールド」

「ぎゃああああ!」

一人間に合わずに死んだ。

後の三人は守った。

では、

「俺には当てなかったな」

「ああ、ザード。お前にはツルギのシールを剥がす大事な役目があるからな」

次は新技の登場である。

「フォレスト!」

地面から沢山の樹木が現れる。

いや、それは幻影だった。

実際は沢山の波動が地面から噴き出されただけでそれが樹木の形になっていたのだ。

「くっ、シールド!」

「シールド!」

二人がシールドで守る。

が。

「甘い甘い!シールドじゃ守れねぇのが特徴の技なんだよ!」

そう言うペガサスはツルギを抱えて飛んでいる。

そう、シールドでも守りきれないのだ。シールドの外からの衝撃に体が耐えきれない。

対処方法はただ一つ。

それに触れない。

逆に言えば触れなければ屁でもないのだ。

ペガサスは下を見ていたがチラリと顔を上げる。

すると、二人の男が浮遊していた。

「やぁ、アンタら二人は無事だったみたいね。ま、ザードは無事でなくちゃいけないんだけど」

ペガサスが余裕の笑みを浮かべる。

相手も余裕に返す。

「いやぁ、さすがだねぇ。五人いたのをたった二人にしてしまった。」

「たりめーだ!俺ァ、草の覇者、ペガサスだぜ」

「ハッハッハ、随分と余裕があるね。」

「まぁな。さっ、またこっちからいかせてもらうよ。メガポイズン!」

さすがにツルギを抱いている状態でギガポイズンは出来ない。

それに、フォレストを一瞬で避けた相手だ。操れない技が当たるとは思えない。

毒はザードではない方を的確に追い続ける。そして、その距離も縮まり始めた。

だが、ザードがいた。

「エレクトローダー!」

「何やてっ!」

「何でいきなり関西弁になるんですか!?」

ツルギ、悲痛の叫びである。

本当は「大丈夫ですか、ペガサスさん!」と言いたかったらしいが、変な関西弁のせいで狂ってしまった。(本人による後日談〔かもしれない〕)

「くっそ〜、痺れるぜ…。」

「ペガサスさん、その言い方だとアクション漫画の主人公が強すぎる敵に出会って負け惜しみを言っているようです」

「フッ、長すぎる忠告ありがとう」

「どういたしまして」

「夫婦漫才なんかしてる暇ァねーぞ!エレクトローダー!」

「何の!ビートルアターック!」

ザードの両手がペガサスに触れるのが先かペガサスのアッパーが決まるのが先か!

真実はまた来週!

と言いたいところだが、字数が少なすぎるので続ける。(ハッキリ言わせてもらうと毎日何回も更新するので来週のワケがない)

「ぐぶぉ!」

「ふぎゃいあ!」

さて、これがその結果だ。

ポアロより先にオリエント急行の殺人は全員が関与していると気付いたあなた方ならもうお分かりだろう。

そう、両方ぶち当たりました♪

「大丈夫ですか、ペガサスさん!?」

「うーん、ピリピリピリピリピリピリピリピリピリピリ…。」

完璧に逝ってしまっている。

だが、敵はもう一人いる。ペガサスがザードに構っている間にメガポイズンをどうにかした男がこちらに向かってきた。

「ふーん、相討ちかよ。両方まだ生きてるみたいだけど」

「まずい…。」

「この際ザードも殺してしまうか…。ギガフレア!」

炎が舞う。

だが、ペガサスとザードは気絶し、起きているツルギは技が使えない。

「しっかりしてください、ペガサスさん!しっかりしてください!」

「ピリピリピリピリピリピリピリ…。」

ペガサスは気絶しているのではなくイカれているらしい。

こうなれば藁をも掴む思いで、

「ザードさん!ザードさん!あなた殺されますよ!味方に!」

「う…。」

「起きた!早く戦ってください!」

「無理だ…俺じゃあいつに勝てねぇ…。」

「え、ギガフレアで満足してるような奴に勝てないんですか?」

「じゃかぁしい」

「あ、聞こえてた…。」

ツルギの束の間の平和である。

「あなたじゃ無理なら私のシールを剥がして!」

「…………。」

「聞いてますか、剥がしてください!」

「…………。」

万事休すか?


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