二百年大修行 フェニックス編(六)
現れたのは、どんぶりどじょうの義兄でありフェニックスの父である。
「よう、弟、息子」
「どうして親父がここに…?」
「俺も天上界の人間だから。知ってるか?クラーケン、ペガサス、サンガー、バジリスクはこいつの実兄であるどんぶりうなぎの闇の魔術で力を手に入れたが、お前は元から持ってたんだ」
「…………。」
「おいおい、話が急すぎて追い付けてねぇな。ゆっくり話してやるよ」
「俺は孤児だった。そして、こいつの親に養子として取られた。その時名前がどんぶりうなぎになったのさ。時が経つとこいつは道場を持った。それを俺がぶっ潰して地上界に降りてきた。妻と結婚し、生まれたのがお前と桜。その後本当のどんぶりうなぎに頼まれた俺はお前を殺し、どんぶりうなぎの元に送った。それで捕まったが、十年後に仮釈放されそこにお前が来た。それで今ここにいる。解ったか?」
「いいえ、親父」
「ったく、頭の回転遅いな」
「アンタの息子だよ!幾つも質問したいけど一つ言わせてもらうと、姉貴のAIH値はどうなってるんだ?」
「地上界レベル」
「何故」
「お前は見事なハーフになったが、桜は地上界側に偏った」
「…………。」
どんぶりどじょうが会話に加わる。
「今度は何の用だ、兄さん!」
「愛する息子を殺しに来たのさ。『二人がかり』でな」
「二人?」
どんぶりどじょうとフェニックスが戸惑う。
「マイパートナー、タマカモーン!」
「…タマ?」
フェニックスが後ろを振り向く。
「お久しぶりです」
「上手くフェニックスに近づいたようだな」
「はい」
「テメエ、ショタコンは嘘だったのか!」
「当たり前です。生まれてから戦闘漬けの私にどうやったらそんな性癖が身に付くのですか」
「ぐっ…!」
そんな事も気付かなかったフェニックスである。
「二対二だな、フェニックス!気を抜くなよ」
どんぶりどじょうが激励する。
だが。
「三対二です、コーチ」
「リュウ!」
「僕も戦います。リュウ編が無かった時の保険としてね」
「…………。とにかく、やるぜ!」
三人を二人が外から見つめている。
「こっちから仕掛けましょう」
リュウが呟いた。
「サーカスフレア!」
「ドラゴンフレア!」
二人とも明らかに威力が増している。
当然だ、フェニックスはどんぶりどじょうと、リュウはタマと修行したのだから。
ただ、それが弱点でもある。
タマが二つの炎を弾いた。
「フェニックスさんはともかく、リュウさんの技は鍛えた私の思い通りですね」
「あ…!」
「あなた達は私には勝てません」
フェニックスはその言葉に懐かしみを感じた。
「ノア…。」
「フェニックス君?大丈夫ですか?」
「なぁ、タマ。その台詞、ノアも言っていたよな…?」
「よくご存じですね…。これは私達が一緒に考えたものですよ」
「ノアとお前は同じ頃道場に通っていたのか?」
「はい」
「ノアはきっとこんな事望んでないぞ」
「命乞いか?」
話に父が混ざってくる。
「アンタもだよ親父。どんぶりうなぎに頼まれて俺をこうしたんだろ?だったら何で殺すんだよ」
「どんぶりうなぎが死んだからさ」
「…………。」
「言いたい事はそれだけか?このままお前が死ねば読者は沢山の謎を背負ってこの小説を読み終えるぞ?最も、読んでいる人がどれくらいいるか解らんが。」
「馬鹿野郎…俺が死んでも後の四人の話があるだろうが…どんぶりどじょう、リュウ!こいつら二人は俺にやらせてくれ」
「フェニックス、まだお前には…」
「一人じゃ無理ですよ!」
「俺は負けないさ。どんぶりうなぎとノアのために。ついでにキング・ジャイアントとリーナのためにも」
「解ったフェニックス!関係ない二人を巻き込んでまで責任を負う覚悟があるならやらせてやろう」
「頑張ってください!」
「ああ」
「息子よ、俺達をどう殺るつもりだ?」
「タマは普通に殺す。アンタは縛り上げて全ての謎を解く。その後殺す」
「面白いやり方ですね。戦いがいがある」
「タマ、アンタには騙されたよ。ツルギも裏切り野郎か?」
「さぁ、ツルギはどうでしょうか。この話は私だけが受けたので」
「ペガサスが変なことになってないと良いが…。今は人の心配は出来ねぇ。行くぞ!」
二人が波動を出す。フェニックスはそれを波動で相殺した。
「今度はこっちからだ。
マウ士臨!
命ず、奴等を倒せ!」
「ふーん、光の魔術を選んだのか。今時珍しいな…。どんぶりうなぎさえも闇だったのに…。」
「郷に入っては郷に従えと言うだろ?俺は今天上界にいる。だから光を選んだ」
「へぇ、『地上界の人間』らしい考え方だな。そんな生ぬるい事してると死ぬよ?タマ、やっちゃいな」
「決死輪」
「逃げろフェニックス!」
どんぶりどじょうが叫ぶ。
「バーカ、俺は逃げねぇ。」
「馬鹿を言え、決死輪はシールドでも…」
「冥臨!」




