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五人の覇者  作者: コウモリ
二百年大修行
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二百年大修行 波動編(一)

「おや、新入りかい?」

「お久しぶりです、どんぶりどじょうコーチ」

ツルギが丼に入ったドジョウに話しかける。

「俺、既視感が…。」

「僕もです…。」

「俺様は狂ったのか…?」

「俺も遂に幻影が見える年頃に…。」

「わしは何も見ない、何も見ない…。」

「どうされましたか、五人とも?」

タマがきょとん、と見つめてくる。

「ごめんタマ、俺頭冷やしてくるわ」

「どうぞ、フェニックスさん」

「ったく、最近の若造は精神が脆いのぉ!」

「大丈夫ですよ、どんぶりどじょうコーチ、彼らはきっと何か勘違いしてるだけですから…。」






一時間後。

「落ち着いたか、五人とも?」

「…はい」

「その眼、私に何か聞きたそうだが」

どんぶりどじょうがクラーケンを指差す。

「あの…あなたはどんぶりうなぎさんとは関係ないんですか?」

どんぶりどじょうの目付きが変わった。

「貴様ら、どんぶりうなぎの知り合いか」

「知り合いも何も、俺達に命を分け与えてくれた恩人っスよ」

「なら…出ていけ」

「…え?」

「どんぶりうなぎに関係ある奴は出ていけ」

「そんな…!」

「コーチ、彼らは何も悪いことはしていませんよ!?」

「ツルギ、タマ!貴様らまで奴の味方をするか!」

「…………。」

「いいから、出ていけ!」






「弱ったな…。」

「入れませんね…。」

ツルギが立ち上がる。

「ツルギ、どうした?」

ペガサスが心配する。

「私が話してきます。タマ、お前も来て」

「はいはい」






「ツルギ…タマ」

「先程の無礼をお許しください」

「いや、謝るのは私の方だ。あれしきの事でカッとなってしまい…。」

「一体、コーチとそのどんぶりうなぎという奴にはどんな関係があるのですか?」

「…解った、話そう」

どんぶりどじょうの話を、ツルギ、タマ、そして扉の外から盗み聞きしている五人が聞いた。

「私とどんぶりうなぎは兄弟だった。奴が兄、私が弟。AIH値は兄の方が上だった。いや、殆どの事で兄が上だった。私はいつも兄の踏み台にされていた。そんな私でも唯一誇れるものがある。それは、仲間を大事にする心。だから、私は今道場を開いている。兄にはそんな物無かった。兄は団体行動を嫌った。」

(まさに鰻とドジョウだな、殆どの事で鰻が上なんて)

(どんぶりうなぎさんは団体行動は嫌いそうに見えませんでしたけどね…昔は違ったのでしょうか?)

「それまでなら良かった。それまでなら、私は兄を羨ましがるだけだった。だが、奴は…ここを潰しおった!」

「…え?」

「兄は道場破りとか言って、ここを潰したんだ!」

(そんな事が…?)

「お前達にはすまぬが、ここではない別の道場に行ってくれんか?」

「…………。」

ツルギが黙るが、タマが話し出した。

「彼らに、この道場を見学させるぐらいならよろしいですか?」

「まあ、それぐらいなら良かろう。あと一時間で始まる。それまでどこかで暇を潰しておけ」






一時間後。

ダァーン、グヂュ。

「不吉な音が…」

「気にせずどうぞ」

五人は中に入った。

四歳ぐらいの子から十八歳ぐらいの人までいる。

すると、十五歳ぐらいの奴がフェニックスに、

「君、同い年ぐらいだね。勝負しないかい?」

誘ってきた。

「あ…でも…。」

フェニックスがどんぶりどじょうを見る。オーケーサインをしていた。

「解った、やろう」

フェニックスとそいつは、部屋の中央に来た。

「僕の名前はリュウ。君は?」

「フェニックス」

ピーーッ!

試合開始の笛。

「ドラゴンフレア!」

テッドが龍の形をした炎を出す。

「サーカスフレア!」

炎の竜巻で相殺する。

「雷牙!」

フェニックスを雷が襲う。右に避ける。

「どうした、攻撃は?」

敵が挑発する。

「仕方無いな…。」

フェニックスが結界を描く。

「ギガフレア」






「参りました」

「まだ、本領を発揮してないんだけど」

土下座するリュウをフェニックスが見下す。

「フェニックス、AIH値は?」

「ツルギ、何だったっけ?」

「18です」

「18!?覇者のレベルじゃないか!」

「俺達覇者だから」

「え゛」

「それに、この女二人は16だぜ?」

「…………。」

「ああ゛!?」

ペガサスが奇声を発した。

「これがもしかしてどんぶりうなぎ?」






「ナァーハッハッハ、どんぶりうなぎ違いとは!私に言ってくれれば良かったのに!」

「どんぶりうなぎなんて変な名前二人いると思わんわッ!」

「いやはや、私が生きてきて最高のギャグだ…。」

「て言うか、何でお前の兄が人間なんじゃっ!」

ペガサスがどんぶりどじょうに写真を見せつける。

「養子」

「…………。どっちが?」

「兄」

「その時あなたの両親はあなたに何も言わなかったの?」

「生き別れがなんたら…と」

「じゃあ、俺達の知ってるどんぶりうなぎが実兄で、生き別れたから貰った養子の名をどんぶりうなぎにしただけじゃないの?」

「複雑だな」

五人がツボにはまっている(既にどんぶりには入っているのだが)どんぶりどじょうを説教する。

タマがある程度の所で止めた。

「とにかく、違う人だから道場に入らせて貰えるんですよね?」

「勿論だ!」


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