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お金稼ぎ 序
お金稼ぎ。四人が働く
「行ってくる」
朝七時。フェニックスが学校に出かける。
「行ってらっしゃい」
起きているのはクラーケンだけだ。
のはずだった。
フェニックスが家を出ると残りの三人も起きてきた。
「さあ、子供の前で出来ない話をしようか」
「皆さん議題は解ってますね」
「…我が家の財政について」
「全員通帳を出せ」
四人が凡人時代の名前の通帳を出す。
「クラーケン、三万
ペガサス、二万
サンガー、一万
バジリスク、二万」
「成人男性の通帳とは思えませんね」
「ああ、小学生のお年玉貯金だ」
「どうしてこんなになったんだろうか」
「入金零が始まってから約一ヶ月半。だが、毎日のように飯代で万が飛ぶ」
「ついこの前はフェニックスの中学生活のために十万は消えた」
「しかし、定期預金は何故消えたのだろうか?」
「親が引き出しましたね。死んだ時に」
「と言うわけで」
「と言うわけで」




