過去の回想 終
「猛、あのモンスター倒しなさいよ」
「バーカ、霊属性の奴をこのキャラで倒せると思うか?姉貴がやれよ!」
「あーら、そんなキャラ選んだのが悪いんじゃない」
「んだとっ!?姉貴も悪魔属性倒せねーだろうが!」
「むっ…!」
二人が「ラストオブヒーローズ ゲームバージョン」で遊んでいた。
「仲良いわねぇ、あの姉弟は」
ペガサスが呟く。
「お前は一人か?わしは五人兄弟だったぞ。全員男だったけど」
「あたしゃ、ガラの悪い姉がお二人いらっしゃるのよ」
ペガサスがそう言うと、
「だぁーれが、ガラが悪いですってぇ〜!」
「ひいぃい!姉さん!」
「ったく、生き返ったからって来てみたら男だけでシェアハウスだなんて堕ちたわね、愚弟!」
「シェアハウスなんてそんなもんだろ!」
「うるさい!成人したんだから結婚ぐらいしなさいよ!お、あんなところに紅一点」
「姉さん、ありゃあ、フェニックスの…」
「初めまして」
桜が挨拶する。
「あら、どうも。あなたは?」
「私はこの姉です」
「このって何だよ、このって」
「まあ、仲の良い姉弟だこと。名前は?」
「火鳥フェニックス」
「こら、本名を言いなさい」
桜が怒る。
「るせ、俺はフェニックスとして生きると決めたんじゃ」
「ほー、縁でも切ってあげましょうか?赤の他人のた…フェニックス君?」
「ケーケッケッ、切ってくれるんなら嬉しいねぇ、赤の他人かつ凡人の桜さん」
「なっ!あんたステージ4私がいないとクリアできないくせに!」
「アンタ以外にもおるわいッ!なあ、クラーケン」
「ぼ、僕ですか?」
「あーん、テメエ過去を乗り越えさせてやったっつー借りがあるんだろ、借りがぁ〜」
「ほら、止めな猛。お友達嫌がってるでしょ」
「じゃかぁしい!十一歳差じゃ!」
「なぁ〜に、自分で幼ささらけ出してんのよっ!」
「ハッ…。」
「うっふっふっ、姉に勝る弟無しね!」
「テラフレアかましたろか、姉貴…。」
「あ〜らァ、一般人に危害加えてよろしいのかしらん、は・しゃ・さん?」
「…………。」
「仲のいい姉弟だことね、ペガサス…。」
「そうだね、姉さん…。」
過去の回想、終了。




