過去の回想 序
過去の回想。五人の力が失われる
天上界にて。
「杖よ、我の三回目の注文を実現させよ」
家にて。
「おはようございますバジリスクさん」
「おう、クラーケン。お前朝早いな」
「まあ、習慣は人それぞれですので」
「よう、お前ら」
「お、最年少のフェニックスが三番に起きたぞ」
「ケッ、中学生ナメんな、朝練キツいぞ」
「う〜、朝からうっせぇぞ…。俺様は朝九時なんだ…。」
「すいません、ペガサスさん」
「お前、朝九時ってひどいな…。」
「サンガーはまだ眠っておるかな…。」
「おい、ペガサス、バジリスク、技かまして脅かしてこようぜ!」
「いいな、フェニックス!」
三人はサンガーの部屋に入った。
「せーの、メガフレア!」
「メガポイズン!」
「メガクラック!」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…どうして…どうして技が出ねぇんだ?」
「どうしたんですか、三人とも?」
「クラーケン、ウェーブしてみろ」
「え、どうして…」
「いいからやれ」
「は、はい、ウェーブ!…………?出ない?」
「お前もか…。おい、サンガー、起きろ!」
「十時まで俺を起こすな」
「起きろッ!」
「黙れッ、ギガサンダー!…………?」
サンガーも技を出せない。
「五人全員だ…。五人全員技が出せなくなったんだ!」
「どうする?」
「どんぶりうなぎに聞きに行こう」
「翼がないんじゃ、空まで飛べねぇよ!」
「フェニックス、お前どんぶりうなぎから地図貰ったんだろ?地上と天上界が繋がってる扉なんて無いのかよ?探せよ!」
「無理だ、その扉の名前が解らないことには…!」
「じゃあ、全ページ探さんか!」
「一ページ見るのに何時間かかると思っとるんじゃ!それが何ページあると思っとるんじゃ!」
「血眼になって探せよォ!」
「くっ、クソォォォォォォォォォ!」
フェニックスが一ページ目から探し出す。他の四人は、
「早く技が使えるようになってくれ!」
「技が使えない間モンスター来ないで!」
「マスコミも来ないで!(今までも来てないけど)」
「どんぶりうなぎ、こっち来てー!」
と、祈っていた。
天上界にて。
「あいつら、慌てとるな。天上界と地上を繋ぐ扉なんかないけど。ま、力をなくし、昔の自分に戻った今、過去を振り返るんだな」




