初めてのお使い 終
「そうか…キング・ジャイアントの娘が…。」
「ああ。で、その娘を看取ってたらこんな遅くなったわけ。てめえらみてえにただ行って敵倒して帰るような単調な物じゃなくて、涙無しには語れないラブストーリーがあったわけよ」
「の、割にはてめえピンピンしてんじゃねえか」
「いや…ぐったりしてたらリーナに悪いからさ。」
「ま、それもそうだな。」
話が一段落したところでどんぶりうなぎが話題を出す。
「お主ら、今回のお使いで新しい技を手に入れたようだが?」
「ああ。凄いのをな!見るか、どんぶりうなぎ?」
「いや…お前らの『見るか』は不安だからな…。」
「チェッ、フェニックスみてぇにつれねーか…。」
「新技ぶちかましたろかバジリスクゥ〜」
「やなこった」
フェニックスとバジリスクの漫才を華麗にスルーし、クラーケンが聞いた。
「どんぶりうなぎさん、今回のお使いの目的は何だったのでしょうか?」
「お前らの認知度とコネクション作成。フェニックスの場合は単なるお使い。新技は想定外だった」
「そうでしたか、で、次の指令は?」
全員が注目する。
「お主ら、指令を出さんと動けんのか…。まあいい、次は五人で住む家を探せ」
「家?そう言えば、俺達持ってねえなあ。でも、土地と家買うような金無いし…。」
「お前らバカか」
「好戦的な態度だが、何か名案があるのか、ペガサス?」
「家ぐらい、空き家横領すりゃあいいだろ」
「捕まんなさい、この外道」
「え、そんなひどい案だった?」
「仕方ないな…。これを使うか」
「え、何かあるのどんぶりうなぎーって、それ俺がキング・ジャイアントから貰ってきたやつじゃん」
「イフスティックと言って、五回『もしも』を現実にできる。」
「ふえ〜、すげえな。早速頼むわ。」
「よし、杖よ、我の一回目の注文を実現させよ。五人に住む家を与えたまえ」
「おおっ、まさに杖って感じだな!」
「よし、お前らの家はそこだ」
日本地図を出してどんぶりうなぎが指差す。
「あんがと、どんぶりうなぎ!行ってくるぜ!」
「気を付けろよ」
五人が出ていった後、どんぶりうなぎは一人呟いた。
「奴ら、集団生活なんぞ、できるかの…?」
家にて。
「便所おせーぞペガサス!」
「るせ、フェニックス!後少しだ!」
ジャー!
「ふいー、出た出た!」
「…ペガサス」
「あん、どうした、バジリスク?」
「ペガサスはジーパンの下は生装備かの?」
「そうだけど、何で解ったの?あ、お得意の千里眼で見ちゃったわけ?俺の…」
「いや、お前のジーパンのチャックが開いていて、わしの眼に汚物が…。」
「ぬおぅ?すまんすまん!すっかり閉め忘れてたわ!」
「あ、サンガーさん、僕世界バレー見てたんですけど」
「…俺に木曜五時の刑事ドラマは欠かせない」
「僕にもバレーは欠かせませんよ、やりますか?」
「望むところだ、エレクトローダー・ハイテンション!」
「アイスキャノン!」
「お前ら喧嘩か?俺も混ぜろ、マンティスシーザー!」
「わしもじゃ、ロックハーデン!」
「あ、皆待って!俺もトイレ出たら入るから!」
ジャー!
「っし、火の精霊よ集まれ、そしてサラマンダーとなれ!」
「あいつら…新居壊しおった…。新しく作らんと…。杖よ、我の二回目の注文……」
初めてのお使い、終了。




