第111話 新入部員
新入生が入学してから、東鶴間高校野球部は勧誘活動を始めていた。
校門前での声かけ。
教室での説明。
グラウンドでの見学案内。
人数が足りないチームにとって、新入生の入部は死活問題だった。
そして――
数日後。
予想を上回る結果が訪れた。
入部希望者が、六人も現れたのである。
その中には、マネージャーの夏目真衣の弟――
夏目海の姿もあった。
野球部の部室に、新入部員たちが集められた。
在校生たちの前で、自己紹介が始まる。
最初に前へ出たのは、浮田総二だった。
「浮田総二です。ポジションは一塁と外野です。よろしくお願いします」
続いて、白石広志が前に出る。
「白石広志です。ポジションは投手と二塁と外野です。サブで捕手、一塁、三塁、遊撃と全部出来ます。よろしくお願いします」
在校生の間に、少しざわめきが起きる。
次に竹田栄司が出た。
「竹田栄司っす。ポジションは三塁と外野と一塁っす。よろしくお願いしまっす」
そして、夏目海が前に出る。
「夏目海です。姉がお世話になっています。ポジションは投手です。よろしくお願いします」
その言葉に、部員たちの視線が自然と夏目真衣へ向いた。
続いて、変わった生徒が一歩前に出る。
「は〜い、私は伯方歩夢といいます。ポジションは投手です。よろしくお願いします」
さらにもう一人。
少し緊張した様子で口を開く。
「……どうも、早田士郎です。ポジションは二塁と外野です。足が速いのが取り柄です……よろしくお願いします」
自己紹介が終わると、部室には期待の空気が流れた。
これで――
東鶴間高校野球部の人数は、十五人。
ようやく、一つのチームとして戦える人数が揃ったのだった。




