表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
90/149

第十章 それぞれの時間-8-

 雪崩れ込むようにミーシャへ向かってくる少年達の動きを読むのは、容易なことだった。

 軽い身体を生かして、ミーシャはほいほいと少年達の頭を踏み台にし、背後を取っていく。

 上から覆いかぶさるようにしてくる少年の足元をすり抜け、またも背後をから蹴っ飛ばした。

「ぎゃっ!」

 正面からでも、拳を腕で止めて、腹に一発。

 最後は挟むようにして殴りかかってくる少年達の頭部に、素早く跳んで同時に蹴りを入れた。

 凄むように取り囲んでいた少年達は、いつの間にか全員呻きながら地面に寝ていた。

「千回にしておけばよかったかなぁ?」

「……それ、僕もやるの?」

「え?」

 心底嫌そうな声音に、ミーシャは我に返った。

 一人冷めた目をして見ていた少年に、ミーシャは少し考え、頷いた。

「そうね、君は止めなった罰として、五百回やってね」

「…………」

 少年は嫌そうな顔で何か言いかけたが、結局は従った。

 地面に十人ずつ二列に並ばされた少年達は、ひぃひぃ言いながら、上体を起こしていた。

「ほぉら。まだ腹筋だけで半分もいってないじゃない。陽が暮れちゃうよぉ?」

「っそぉ……」

「オレ、もう……むりぃ……」

「泣き言言わない」

「しぬ~……」

「腹筋しただけで死なない、死なない。あなた達が、腹筋から先って言ったんじゃない? ほらほら、もっとはやくやる!」

 そう発破をかけても、彼らの体力のなさは分かっていた。続々とその場でまた動けなくなっていく。

(これは明日からの訓練の予定を組み直さないと……)

 と、一人黙々と腹筋を続ける者がいた。

(へぇ、結構体力はあるんだ。確か、名前はディノスだったっけ? 大人しい見た目とは裏腹ね)

 脱落していく周りには目もくれず、彼だけは、最後まで腹筋と腕立て伏せを終わらせたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ