表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
47/47

47 留学生との出会い

「こちらの2人が本日から留学生として君たちと共に学ぶことになった」


「デビット・ジョーンズです」


「ジョン・ケリーです。デビット様の従者を行っています」


 昼休憩が終了すると、教師が2人の少年を連れて教室へとやってきた。先に自己紹介したデビットと名乗る少年はニコニコと愛想が良く、逆にジョンと名乗った少年は周囲を警戒している。

 ジョンの方は従者と名乗ってはいるが、留学生として紹介されていることから使用人ではなく、学友的な立ち位置なのだろう。

 そのことからも、デビットの立場が相当上なのがわかる……だって、テイラー王国でも同年代の従者を持っているのは王子たちくらいだからね。


「デビット、ジョン。適当に空いている席に座りなさい」


「「はい」」


 王立学園の教室は机と椅子が並べてあるタイプではなく、教室自体に机が固定されている講義室のようなタイプなので、生徒は各々自由に席を選んで座っている。

 だからというわけではないだろうけど、教師は留学生に席を指定せずに自由に座るように指示した。


「今日は、いつもと違って隣国と我が国との違いを説明していく。我が国は防護壁の魔導具によって民を守っていると説明したが、留学生の2人の母国のブラウン皇国を含めて隣国では防護壁の魔導具は採用されていない」


 前世の学校だったら留学生に対して質問タイムなどがあったけれど、この世界……というか王立学園は貴族が通う学園なのでそういったものはない。

 友諠を結ぶかどうかは各々の立場や相性もあるので、学園としては強制をせずに、プライベートな時間に行うようにとのことだ。

 だけれど、ブラウン皇国から来たとサラッと説明したけれど、それは自己紹介をさせる前に教師が言うべきでは? ……ま、Aクラスは上位貴族が集まっているから、説明しなくても名前でわかるということかもね。


「防護壁の魔導具を作動させられるのはテイラー王国の貴族だけに限られている、これが隣国で防護壁の魔導具が採用されない理由だ。ちなみに、テイラー王国の貴族が他国に渡っても子孫には防護壁の魔導具を作動させられないので、学者の間ではテイラー王国の土地が防護壁の魔導具を作動させられる理由になっているんじゃないかと言われている」


 教師はそのまま授業を続行しているけれど、この辺の話は上位貴族には常識だけれど伯爵家や力のない侯爵家には伝わっていないから、教室の中でも熱心に聞いている人と聞き流している人に分かれる。

 日常生活に必要な小型魔導に関しては他国に人間でも使えることから、本当に防護壁の魔導具だけが特別なのよね。


「ちなみに、他国の人間がテイラー王国に住んでも防護壁の魔導具を作動させられるようにはならない。……ただ、テイラー王国で子供を産めば、その子供は防護壁の魔導具を作動させられるようになるので、魔力量の多い貴族はテイラー王国の貴族家に婚姻する以外で定住することはできない」


 ああ、急に隣国との違いを説明し始めたけれど、教師としてはコレを伝えたかったのね。隣国の貴族とは遊びで付き合えない。

 もしも恋愛をするのなら、家に迎え入れるつもりでいろ。デビットもジョンも、それなりのイケメンだから女子生徒に釘を刺しているのね。

 隣国とは言葉も一緒だけれど、常識や習慣も違うから、かなりの覚悟がないと一緒にいるのは難しいと思うけれどね。


――――――


「はじめまして、グラース公爵令嬢。自己紹介しましたから知っていると思いますが、デビット・ジョーンズです。よろしくお願いします」


 授業中は熱心に教師の言葉を聞いていた留学生だけど、終業後のエイミーを待っている時間に私に話しかけてきた。

 留学生だからコネを作りたくて全員に話しかけている……といった風じゃないから、目的は私なのね。


「こちらこそ、よろしくお願いします、ジョーンズ様。お名前を知っていただいているようですが、改めて自己紹介を。ローズマリー・グラースと申します」


 周囲をうかがうと第二王子が驚愕した顔でこちらを見ているが、普通に貴族としてあいさつをしてくれれば私だって貴族として応えるわよ。

 それとも、まだ私が自分の婚約者候補だとでも思ってるわけ? ……あの王子のことだから、それもあり得そうで怖いわね。


「私が留学してきた目的の大部分が貴女にあるんだ。王立学園でのスケジュールを調整しつつ、アポイントメントを取ろうと考えていたのだけれど、同じクラスになれるなんて幸運だ!」


「ふふ、ブラウン皇国の第四皇子殿下に、そう言われるのは悪い気分ではありませんね」


「おや、こちらのことも理解してくださっているのですね」


「これでも公爵令嬢……それも次期公爵ですから。隣国の皇族の情報は仕入れていますわ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ