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第二十四話:王様 〜中学生トラブル編〜

こちらの作品は一旦終了し、改稿版として以下で連載を始めております。

大変ありがたいことに、旧版よりかは評判は良さそうなので、もしよければ以下よりご覧ください。

https://ncode.syosetu.com/n0337mb/1

俺は何をしても許される。

俺の親父は、徳島県議の「井口おさむ」だからだ。教員連中はそれを知っているが、同級生たちは知らない。勝手に俺の親はヤクザだと言い合っているが、それよりタチが悪いってことに気づいていない。


万引き、暴行、何をしても親父の力でもみ消してもらえる。俺は生まれながらにこの学校の、いやこの街の王様なんだ。

あまり頻繁にやると親父がうるさいから、一ヶ月に一回という「贅沢」なルールを決めていた。


ちょうど入学式の日のことだ。コンビニで堂々と万引きしたら当然捕まったが、一時間もしないうちに警察から解放された。しかも万引きしたチキンを、警察署の出口で食べながら帰ってやったんだ。

もう俺がしてはいけないことなんて、この世には存在しない。そう確信した帰り道、とんでもなく綺麗な女を見つけた。


緑のリボンの新一年生。小柄だが、顔と胸がとにかくいい!!

幸薄そうだが、顔と胸がとにかくいい!絶対にものにしてやる!


王様の俺が直接声をかけてもいいが、警戒されるのも面倒だ。適当な奴に命じて連れてこさせ、体育倉庫でじっくり味見してやる。


……そう考えていた。

だが、それは間違いだった。

俺が王様だというのも、ただの勘違いだったようだ。

なぜなら、王様というのは「誰にも殴られない存在」のはずだからだ。


俺は今、猛烈に殴られている。

抵抗することさえできないほど、一方的に。

真口と外口も、相当派手にやられている。それでも二人は、必死に「この男」を止めようとしてくれている。


俺は二人のことを便利な家来くらいにしか思っていなかったが、まさかここまでして俺を守ってくれるとは…涙が出そうだ。


……しかし実際に出ているのは、小便なのだが。

そして、なぜ二人が必死に止めようとしているのかが、ようやく分かった。

目の前に「本気で人を殺そうとしている人間」がいたら、生物としての本能が、死に物狂いでそれを止めようとするものなのだ。


目の前で事故が起きたら無意識に救護活動に走るあれだ。


俺は殴られすぎて、右肘から指先にかけての感覚がもうない。

左目の視界は真っ暗だ。

左足もおかしな方向を向いているようだ。だが、不思議と痛みはない。

痛いのは、砕かれた顎と、ひしゃげた鼻。あとは、ミシミシと嫌な音を立てて握りつぶされかけている左肩だけだ。


「この男」は、無表情のままだった。

力一杯、右手で俺の左肩を掴み、固定する。

そして、血まみれになった左拳で、俺の顔面を何度も、何度も、何度も殴打する。

俺は、どこがどう痛いのかさえ分からなくなってきた。


この「久世」という男。体格のいい真口と外口に両脇から組み付かれ、必死に引き剥がされようとしているのに、俺への攻撃は一瞬たりとも緩まない。

凄いことなのか、怖いことなのかすらもはや分からない。

だが、1つだけ分かったこともある。暴力というのは、「殺される」というのは、とても恐ろしいことなのだ。

生まれて初めて、底知れない「恐怖」を抱いたその瞬間、俺の意識は闇の中に沈んでいった。

こちらの作品は一旦終了し、改稿版として以下で連載を始めております。

大変ありがたいことに、旧版よりかは評判は良さそうなので、もしよければ以下よりご覧ください。

https://ncode.syosetu.com/n0337mb/1

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