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闇夜のフェアリー、リルファ

 待ち伏せをして三日目の夜……ついにその時が訪れた……!


 私は昨日一昨日と同じようにベッドで寝たふりをして待ち伏せをしていると窓から誰かの声と音が聞こえてくる。


「へっへっへ……、よしよし……寝ているようだね~。窓には鍵が掛かっているようだけど……こんなのあたしの前では無意味なんだよね~」


 何者かの声と共に窓の外が少し光ったかと思うと、鍵を閉めたはずの窓が開かれた。


 声からしてどうやら女の子のようだ。


「──!」


 私は思わず声を出しそうになったけど、必死に耐える。


 どうやら魔法か何かで鍵を開けたのかもしれない。

 というか、あんな魔法があったら戸締まり自体が無意味とされてしまう。


「予告状を出してその日や次の日は警戒するだろうけど、数日も経てば誰しも警戒を解くのよね~。……と、あれだね異世界のお宝は。以前冒険者ギルドで見たから物は分かってるんだよね。わざわざ取りやすいように置いてくれているなんて、こんな間抜けな人は見たことないよね~」


 闇夜のフェアリーと思われる何者かは小さな羽音のようなものを立てながら室内へと侵入し、スマホが置いてあるテーブルへと向かっていく。


(もう少し……、もう少し……)


 私は薄目を開けて侵入者がスマホへと手を伸ばす瞬間を窺う……。


 そして、侵入者がスマホへと手を伸ばそうとしたその時!


「捕まえたっ!」


「な……っ!?」


 ベッドから素早く起き上がった私はその侵入者を素手で捕まえる事に成功した!


「あなたが闇夜のフェアリーね!」


 月明かりが私の掴んだその何者かを照らし出すと、そこには体長50センチにも満たない小さな女の子の姿があった。


 その女の子には小さな羽が生えており、元いた世界で伝わっている妖精のようにも見えた。


「これは……妖精族(フェアリー)ね」


「妖精族……?」


 ジェストさんの中から出て来たミリアさんの言葉に私はオウム返しで聞く。


「妖精族は元々人々の手伝いが大好きな種族よ。よく職人さん寝ていると、妖精がやって来ていつの間にか仕事が片付いている……なんて話は聞かないかしら?」


「聞いたことあります!」


 元いた世界の話だけど、確かにそのような内容の絵本があった。


「妖精族は夜中に鍵を開けて家の中に入って来ては手伝いをするんだけど、イタズラ好きという面もあるのよね。で、この妖精は鍵開けの魔法を悪用して盗みを働いていると、そう言うことね」


「あなたは何でそんな事するの?」


「何でって、人々が騒いでいるのを見るのが楽しいからに決まってるでしょ?そんな事より速くあたしを掴んでいるこの手を離してよ!」


 妖精は悪びれる様子もなく逆ギレしながら私をキッと睨む。


「反省の色は無しってわけね。いいわ、それなら悪さをする妖精にはお仕置きが必要よね。私は妖精族の長と顔見知りなのよね。このままあなたを妖精族の長に突き出してあげるわ」


「ひ……!そ……それだけはやめて……!」


 ミリアさんが意地の悪そうな笑みを浮かべるとこの妖精は顔を青くして震え上がっていた。


 どうやら妖精族の長という人は恐ろしい存在なのかもしれない。


「というか、その妖精族の長と言う人をミリアさんは知ってるんですか?」


「ええ、知ってるわよ。だってこの街のスケベ通りで働いているもの」


「……そうなんですね」


 衝撃の事実を知ってしまった……。


 妖精がスケベ通りで働いている……、絵本で見ていた妖精のイメージが音を立てて崩れ落ちていく……。


「もっとも、身体が小さいから男の場合だとモノによって入店拒否されることもあるけど、女同士だったら問題ないわ。あの小さな体で身体を舐められた時の快感と言ったらそれはもう……」


「は……はぁ……、そうですか……」


 ミリアさんはその妖精に身体を舐められた事があるのか、顔を赤くしながらクネクネと身悶えていた。


「と……とにかくあたしをその長の所に突き出すだけはご勘弁を……!その代わり何でもしますので……!」


 何でも……?


「なら……私を元の世界に戻してくれたら許してあげる」


「あ~、ムリムリ。あたしにそんな能力があるわけ無いでしょ?あはははは……!」


 私はダメ元で言ってみるも、この妖精は笑い飛ばしながらムリムリと手と首を横に振っていた。


「やっぱりあなたをその妖精族の長という人に突き出すわ……!」


「わーっ!待って待って……!その代わりあなたの未来をみてあげるから……!」


 私はその妖精を掴んだまま部屋を出ようとすると、妖精は慌てて私にしがみつきながら未来をみるからと言ってきた。


「どういう事……?」


「このあたし、リルファは人の未来をみる能力があるの!その能力を使えばあなたがこの先その元の世界という所に帰れるかどうかわかるでしょ……っ!?だからお願い!長の所に突き出すのだけはどうかご勘弁を……!」


 私は訝しげな目でリルファと名乗る妖精を見ると、彼女は手を合わせてこの通りと、何度も頭をペコペコと下げてくる。


 未来が見える……もしかしたらこの先私が元の世界に帰れるための手がかりみたいなものが分かるかもしれない……!

 そう思った私はリルファを掴んでいた手を離して彼女に頼んでみることにする。


「じゃあ……お願いしようかな……」


「へへ……ありがとう!それじゃあ見るよ……?んん……!んんんぅ……っ!」


 リルファは目を閉じて両手を私の方へと突き出すと何かブツブツと声を発し始めた……。


「見える……見えるよ……!あなたはこれから先多くの人との出会いと別れを繰り返す……。そしてそれは必ずあなたの力になる……!だけど同時に多くの試練も待ち構えている……!そしてその先に運命的な出会いが見えるよ……!」


「後は……?」


「え……?それだけだけど?」


 私の問いにリルファは目を開いて両手を降ろすとキョトンとしていた。


 え……?それだけ……?


「え……?私は元の世界に帰れるの……?」


「知らない」


「え……?は……っ!?」


「それじゃあ、あなたの願いは叶えてあげたからあたしはこれで失礼するね、バイバ~イ!」


 リルファはそれだけを言うと開かれていたままの窓から飛び去ってしまう。


 スマホは盗まれることは無かったものの、結局元の世界へと戻る手がかりは掴めずじまいだった……。


「さて、カナちゃん。騒動も片付いた事だしそろそろ報酬を頂いてもいいかしら?」


「あ、はい。勿論です。ミリアさん、ジェストさん、本当に助かりました。それで、いくらお支払いすればいいですか?」


「私はお金なんていらないわ。カナちゃんの身体で払ってくれればそれで十分よ」


 ミリアさんはおもむろに私へと抱きつくと私の首や胸を触ってくる。


「ふえ……っ!?」


 ひ……ひいぃぃぃ……!

 このパターンはもしかして……!


 私はこれから起こるであろう身の危険を感じるも、手伝ってくれた手前無理に断ることも出来ない。


「カナちゃんこの前このベッドで自分を慰めていたでしょ?気が付かなくてごめんなさいね、欲求不満だったんでしょ?そのお詫びに私がい~っぱい気持ちよくしてカナちゃんの心も身体も満たしてア・ゲ・ル♡」


 ミリアさんは言うが早いか、息を荒げながら素早い手つきであっという間に私の服を脱がし、気がつけば私とミリアさんはお互い下着姿となっていた。


 というか、この前ここで自分でしていたの見られてた……っ!?

 は……恥ずかしい……!


 じゃなくて……。


「ジェストさん……!助けてください……!」


『……悪いが今のミリアは俺には止められない』


 それだけを言うとジェストさんは私の部屋を後にした。


「カナちゃん夜はまだ長いわ!い~っぱい愛し合いましょう♡」


「い……いやぁぁぁぁぁーーーー……っ!!」


 この後、下着すらも脱がされてしまった私はベッドに押し倒されると夜明けまでミリアさんに襲われてしまったのだった……。


 そして、今回もまたすごく気持ちよかった……。

 

 その後、ファナさんから聞いた話では、闇夜のフェアリーが出没することはなくなったらしい……。

 少しでもおもしろいとか、続きが気になるなど、気に入って頂けたら☆☆☆☆☆やブックマークへの登録をしていただけると今後の励みになります!


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