第44話 伴出 THE ROCK
本文中に書かれてるタイプの前回までのあらすじ
異世界アリイアにて『賢者』なる者の情報を求める沢木伴出は、次なる目的地シノファリオを目指していた。
シノファリオへは陸路では今は行けないらしく、ブレディール湖という巨大な湖を越える必要がある。ブレディール湖の付近にはそのものずばりブレディールという町があるらしいので、そこで船を出してもらうのが現在の目的である。
しかし、そこに向かう途中の迷いの森と呼ばれる場所でサワキ達は野球勝負を挑まれてしまうのであった。そして、その野球はイガグリを球として使い、それを手で打ち返さねばならないマイルドな地獄甲子園だったのである。
ー ー ー
「ちょっと一番は誰が出るんですか? 流血確実ですよ!」
「じゃ、ここはパトリシアさんで」
「即答!? ちょっとサワキくんパトリシアさんは貴族ですにゃよ!」
「でもパトリシアさんガントレットみたいなのしてるんだもん。それに貴族なら貴族らしくノーブレス・オブリージュがあるでしょ」
「なにより女の子ですにゃよ! あ、だからですにゃ? パトリックくん(美少年)相手だったらそんな冷たいこと言ってないですにゃよね!?」
「ななななにを。オオオオレがそんな奴に見えるのかよ!」
「見えるも見える、世界丸見えですにゃ!」
「ちくしょうそれならミーシャが行けよ! 肉球で平気だろ!」
「ルーシー平気じゃないもん!」
「こら! ドサクサに紛れてちょっと木之本桜ちゃんに寄せていこうとするな!」
「やはりここはサワキさんが行くべきです! 次の候補はルーシーさんで。少なくとも私はトップバッターではありません」
「ちょ、ボクはパトリシア様のこと庇いましたにゃよ!」
「なんでオレ達が先発で決定なんだよ!」
「私がそう判断したからです」
「デリング総裁声がカッコいいから好き。いやそうじゃなくていくらパトリシアお嬢様の判断でも聞きかねますな! この旅は我々のーー」
「いいんですか? 私にさからって」
「な、なにがですかにゃ? そんな凄んでみたってボク達はーー」
「あらあらルーシーちゃんまでそんなこと言って。いいんですか? お二方、私の髪が何色か見えませんか?」
「髪の色って、ピンクですにゃね。えと、なにかありましたっけ?」
「そうピンクの髪。しかもワンサイドアップ風。つまり私は実質ぼっちちゃんなのです!」
「え、いや全然実質ではな······」
「つまり私はこのカス小説が人気を得る秘密兵器になりえるんです。その私に逆らおうなどど······なんならパトリシア後藤とお呼びいただいてもいいんですよ?」
「いやいやだって目の色とか違いますにゃよ。パトリシア様は瞳もピンクですにゃから」
「そんなの今から設定変更すれはいいだけですわ。あとブラックビューティー買ってくりゃいいんでしょ? 貴族の娘なめちゃいけませんよ、あんなの即日で20本ほど揃えてみせます」
「あ、あの、落ち着いてください。そういう問題じゃ······」
「だいたいサワキさん、このハーレム系みたいなパーティ編成で女の子に難儀をおしつけようなんてどういう了見なんです? それじゃラブコメ主人公にはなれませんよ。まあそんなの読まなそうですけど」
「いやオレだってラブコメぐらい見ますよ」
「へー! 意外ですにゃね! どんなヒロインが好きなんですにゃ?」
「一番好きなヒロインはあつこさんかなー」
「あつこさん? 名字はなんですか?」
「坂本です」
「坂本、あつこ?」
「あ、旧姓は大里ね」
「それハーイあっこです(作:みつはしちかこ)ですにゃでしょ! ハーイあっこですをラブコメとして消費してるのサワキくんぐらいのもんですにゃよ!」
「そうかなぁ。パトリシア様の好きなヒロインは?」
「私が好きなのは小島尊子ちゃんです」
「熱血最強ゴウザウラー(1993年 サンライズ)に出てくる元気系おかっぱ眼鏡ブカブカ白衣天才少女とかいう癖のバイキルトばくれつけんキャラじゃないですかにゃ!」
「なぜか女性人気あるよね、教授」
「みんな妹とか友達にほしがるんですよね教授! でも私は姉にほしいんです! 年下おねえちゃんキョージュふがふが! 小学生おねえちゃんふがふが! 小フーガト短調!」
「うわぁ、はじまりましたにゃ······」
「ヨハン・ゼバスティアン・バッハに地獄で怒られればいいのに······」
「それだとバッハ地獄に落ちてませんかにゃ?」
「あ、あの、そろそろはじめてもいいだべかな······?」




