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そらいろの おうじょさま  作者: 戦徒 常時


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あとがき

 あなたにとっての あおいふくって なんですか?

 空色の王女様は、自由に服を着ることができない。

 それは天気や空模様を自由に変えてしまう能力のゆえに課せられた制約である。


 幸いにして、私たちにそのような能力は無い。

 ……とも言いきれない。


 王女様ほどではないにせよ、

 私たちも着る服によって周りの空気を変えてしまう。


 入学式や結婚式でかしこまった服装をしないのは、

 ともすると素直に喜んでいないことを意味してしまうし、


 そういった事情が無く、かしこまった服を着ていると、

 なんだか怪しい人だと思われてしまう。


 大人になることは、

 したい服装ができなくなること、

 と言ってもいいのかもしれない。



 その意味で、私たちは王女様と同じ境遇にある。



 服と言うにはややカテゴリが広くなってしまうのだが、

 私も靴べらや、おたまを片手に外出することが無くなって久しい。


 なんでそんなものを持って行こうとしたのか、

 いつから持って行きたいと思わなくなったのか、

 きれいさっぱり忘れてしまった。


 靴べらを持って行かないことのメリットを覚えたのか、

 おたまを持って行きたいと思わなくなったのか、

 それさえ思い出せない。


 今では、晴れでも雨でも使える傘でだいたい片手が塞がっている。


 それでもたまに、

 あのとき握っていた靴べらとおたまの感触がありありと甦る。


 そういうときはいつだって胸の奥が温かくなる。


 好きな服を着て行ったこと、したい装いを選べたこと、

 それは幼少期の私にとって、

 そして今の私にとっても、たしかに幸福な記憶なのだ。


 王女様がお城を抜け出したあの日の青い服もいつか、

 酷い暑さではなく、胸の温もりを思い出させる記念碑となってほしいな、

 と勝手ながら思っている。


 


 しかし、私の名前、絵本作家に不向きすぎるな……

 改名・別名ってどうやるんだろ……

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