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十話 旅の合間

短いです。

 旅の道のりは順調だった。

 魔物も盗賊も行き倒れも居なかったから当然と言えば当然と言える。

 その間も父オルスはオエオエ言っていた。


 太陽が真上に差し掛かり始めた頃、俺達の馬車は世界樹の森。その入り口に到着した。

 森の入口付近は木々がなく、綺麗に整地されていた。

 小さな広場くらいはあるだろうか。


 「この辺りで昼食にしましょう。ほら、オルス! お昼にするから準備を手伝って」

 「おおう。流石は僕のお嫁さんだ。容赦がない」


 本当に容赦がないな。

 気持ち悪くて寝ている人間に準備を手伝わせるなんて。


 「大将大丈夫ですかい? 相変わらず乗り物に酔いやすい体質は治りやせんね」

 「ほんと相変わらずですねオルス」

 「夫婦そろっていう事はそれかい? もっと僕を心配しても良いんじゃないかな?」

 「うるさいわ。早く準備しないと昼食がもっと遅くなるぞオルス」

 「おう、お母さんが僕に優しくないよカレン」


 やつれた顔のオルスが俺に抱きついてきた。

 うーむ。ゲロ臭い。

 

 ――ギャァァーーー!! ゲロが私の体に! ちょっとやめてくさ!

 

 「お父さん……」


 今日一番の犠牲者はグラトニールだな。

 「なんだい?」

 「お口の中がドブ川みたいな臭いがするよ」

 「なっ――――」

 「流石姐さんの娘だ」

 「ええそうね。間違いないかも」

 「おいおい。なんだよ。それじゃあまりにも私が傍若無人な女みたいじゃないか」


 ミュルスは不満だと眉を寄せ、じとりと二人を見る。


 「お願いだから姐さん威嚇しないでくだせぇ。うちの子が怯えちまう」

 ガドマンの後ろに俺と同じくらいの歳の子供が小刻みに震えていた。


 「私がいつ威嚇したよ。お前達を見ただけじゃないか」

 「姐さん。自分でなにしたか忘れていやせんか?」

 「何をだ?」

 「あんた何度か竜を睨み殺したじゃない。まさか忘れたの?」

 「え」


 マジで。睨み殺せるならって言うけど。

 そんなスキルがミュルスあったのか。

 怖すぎだろ。


 「あ、おい。アスラン! カレンの前でその話はするな」


 急に慌てだしたミュルスはガドマンのとなり立っている女性の口を自分の手で塞ぎにかかる。


 「よっと。当たらないわよミュルス」

 アスランと呼ばれた女性はそれをひらりひらりとかわし続ける。

 「この! これなら……どうよ!!」


 ミュルスは魔力の斬撃を手刀で放つミュルスに対し、アスランはそれを何事もなかったかのように受け流す。

 そんな攻防が、いつの間にか組手になっていた。

 あれで良いのか?


 「お嬢。コイツがウィミルでさぁ、なかよくしてやってくだせぇ」

 ガドマンは自分の後ろに隠れていた子供の襟首を掴んで自分の前に置いた。

 「ほれ、あいさつしろ」

 俺の前につかみ出されたのは桃色のシャツにロングスカートを履いた少女。

 「ううぅぅえぇぇぇぇ!! ちょっといきなりは無理だよ! なに話せって言うのさ!!」


 ウィミルと呼ばれた子はガドマンの足にしがみついて駄々をこね始めた。

 イヤイヤと首を振るたびに、髪の色は青みがかった黒髪が左右に揺れる。

 腰ほどまでで綺麗に切りそろえられているから伸び放題と言う訳ではない。

 緋色の瞳もこの子に良く似合っていると思う。


 「初めまして、私の名前はカレン・ウィンドミル。よろしく」

 俺が手を差し出して握手を求めるとウィミルは振り返えり。


 「うぇぇと。ウィミルです。五歳です。お友達になってください!」

 頭を下げて俺の手を取った。

 



 「さて、一汗かいたし水浴びにでもいかない?」


 そう言いだしたのは先程まで暴れていた奥様方だ。

 母さん。お願いだから、お腹の事気にしてください。

 あなた一応、妊婦さんですよね。


 「アンタね。お腹に一人いるんだから、体を気遣いなさいよ」

 「アスランがそれを言うの?」

 「水浴びは体温を急に下げるから濡れた布で体を拭く程度にした方がいいんじゃない?」


 いつの間にか帰って来た父オルスがそう言ってミュルスを止める。

 「それより、お昼にしよう。見てくれよ。こんな大物が捕れたんだ」


 彼の背には一メートルほどの丸々太った魚を見せる。

最近忙しくなり、更新速度低速化しています。ご了承ください。

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