第1話 プロローグ
全く描いたことないジャンルなので、見るに耐えないかもしれません。
1話 プロローグ
私は、リナ。リナ・ブラント。まだ16歳の子供ではあるが、ドイツの、ある街の郊外で小さなレストランを経営している。
お客はあまり来ないが、それでも、常連さんは少なからずいるので、贅沢はできないが、生活自体は苦しいことはなかった。お客は、この古い感じがいいというが、「ただリフォーム費用が足りなかっただけですよ」と言ったら、笑ってくれる、ノリのいい人なので、私はこの国の社会への不安は、親からレストランを継いで2ヶ月した時には、すでになかった。
ある時、奇妙な姿の少女が入ってきた。顔は整っているように見えるが、どうも服装が古臭く、外国人のような服だ。まあ、この店の雰囲気にはとてもよく合うが。その彼女は焦った顔で、「今は…西暦何年ですか…?」と聞いてきた。そのくらいスマホや新聞でわかるでしょ、とも内心思ったが、「2026年ですよ」と言ったら、その彼女はばたりと床に倒れ落ちた。私は内心、「迷惑だな」とも思ったが、その彼女を抱えて、2階の自分の部屋のお気に入りのソファに座らせた。
店を早めに閉めることにし、"close"の札を入り口にかけ、2階に上がり、彼女の横に座った。2時間もすると、彼女は目を覚まし、「ここは…?」と呟いた。私は、「ここは店の2階。あなた、さっきまで気絶していたのよ」と言った。彼女は、「すみません、すみません、どうもありがとうございます」と礼をした。彼女曰く、名前はソフィア・イワノワ。1991年から来たようで、同じ16歳であるとのことだ。ロシア生まれ。1991年。私の中で、何かが動いた。気づけば私は、ソフィアに対して深く興味が湧いた。私は、「ドイツ語、お上手ですね」っていうと、ソフィアは「父親がこの国の人なの」と笑って返した。
私は、少しだけ歴史が好きだったので、ソ連では、どう言った歴史を学んだの、と聞いた。
ソフィアは笑いながら、ソ連で学んだ歴史について話してくれた。やっぱり少し赤く偏っているように聞こえる。しかし、話終わったあと、「これが歴史なんだよ?笑えるよね」と付け加えてきたため、私は我慢できず、笑ってしまった。その後も、料理や文化の話をして、笑った。私は、申し訳ないなと思いつつも、自身の学校と仕事の二つの負担について話し、お仕事を手伝ってもらえるかと聞いた。ソフィアは笑顔で、「もちろん!むしろ手伝わせて!」と、いってくれた。
ソフィアは、私の思っていた100倍は仕事が早く、しかも愛想も良かったため、いつもは静かな常連さんも、みんな笑っていた。仕事が終わったあと、私は、「なにか接客業でもしてたの?」と聞くと、彼女は「親のレストランで働いていたの!」と、笑顔で話してくれた。
数日すると、現代の生活にも慣れてきていた。私のスマホも、使いこなせるくらいには。
店の定休日の日、私は、二人で遊びに行こうと考え、声をかけた。ソフィアは明るい笑顔で、「ぜひ行こう!どこにいく?!」と聞いてきた。私は、「ベルリンで買い物をしたいと思うんだ」というと、ソフィアは笑って、「行きたい行きたい!」と言った。
私は、来た時から変わらず明るいソフィアをみて、この生活が一生続くのかとさえ思った。
次の日、ソフィアは、なにやら懐かしげな表情で、財布を見ていた。何を見ているのか気になって、チラリと見ると、ソ連にいた頃のソフィアの写真を眺めていることに気づいた。その写真に写ったソフィアは、目は光っており美しかったが、着色料で染めた水のような、美しくも、なにかで汚れている目であった。
店の定休日が来て、二人でショッピングモールに買い物に行くことにした。
ソフィアは、やけに興奮していた。ソ連にいた頃は、こんなにたくさんの量、たくさんの種類の商品が並ぶのを見たことがなかったのだろうか。
おしゃれなカバンや服、アクセサリーを買ってみようかなとも思い、必死に貯めた貯金から少し崩して持ってきたが、何か勿体なく感じて、買わずにいた。
しかし、なぜか高そうな財布だけは、一目惚れして即決で買った。私の貯金が一瞬で半分になったが。ソフィアは、ある方向を指差して、「あそこ、賑わってるよ!行ってみようよ!」と言ってきた。よく見ようとしたが、私はあまり目がいい方ではなかったので、うっすらとしか見えなかった。まあ、私は好奇心の強い人間だ。
「いいよ、行こう」といい、二人でそこに向かうことにした。
着くと、そこは蚤の市であった。古いガラクタが無造作に並ぶ。あの場所だ。昔のドイツのお金や、勲章、ソ連の物など、いろいろなものが売られている。私としては、こんなところ、ただのガラクタ売り場なのだが、ソフィアは懐かしそうに見ていた。私は、「どう、ベルリンは。楽しい?」と聞くと、彼女は、「うん、やっぱりモスクワの赤の広場もいいけど、自由でいっぱいのドイツもすっごく楽しい!」といった。私は、暖かく微笑んだ。
ソフィアは、「ベルリンには、実は一回来たことがあるんだー」といった。ソフィアの来る前の時代から察するに、ソフィアの来たベルリンは…そう考えていると、ソフィアは、「ベルリンの壁を見たことがあるよ。私、びっくりしたんだー。『あの奥は自由でいっぱいなのに、たったの壁1枚で、主義も。属してる勢力だって、変わっちゃうんだよ?同じ民族だし、家族だったりもするのに。あの奥、本当に楽しそうな声が聞こえた。たった…たったの壁1枚なのに。』って」彼女は、少し懐かしそうに語り、浸っていた。私の生まれてすらいない頃のベルリンを思い出しているのだろうか。次の瞬間、「正直…怖かった。」彼女の笑顔が一瞬だけ揺らいだ。私も、少し胸が重くなった。
その後、ソフィアは次へ次へと駆けていき、
蚤の市のある店で、それまでの給料を使って、いろんなお金や勲章を買っていた。
私は、「やっぱあんたも物好きねー」と笑った。ソフィアは笑顔で「こんな身近なものを大好きになったんだから、私はいつも幸せでいっぱいなんだよー!」って私より笑顔で返した。
私も少し買ってみようと、いくつかを見てみた。その瞬間、私は気づいた。質感や、細かさ。全てが私の知っているものと全く違う。
私の好奇心の勢いは止まることを知らず、気づけば私も、これも欲しい、あれも欲しいとさっき買った財布がいっぱいになるくらいに買ってしまった。その中の一つを、何気なく手に取ったときだった。少しの違和感。普通に1923年と刻まれたソ連硬貨なのだが、私の知ってる物よりかはなんか少し違う。あの1970年代あたりに大量に作ったものと。少しのデザインとかが。その硬貨を触った瞬間、なぜか指先が冷たくなった。金属のはずなのに、まるで“生きてる何か”に触れたみたいに。まあ、せっかくの休みに頭を使うことはしたくない。私はそれ以上考えるのをやめた。だが、どこかそれだけでは説明のつかない違和感が残った。
「どうしたの?」ソフィアが覗き込んできた。「いや、なんでもない」そう答えながら、私はその品を裏返した。
「ほら、次行こうよ」
ソフィアは、何も気づいていないように笑っていた。
私は帰って気づいた。これらを置く場所が全くないことに。
ソフィアは、「1ユーロショップに保管ケース売ってないかなー」と、笑いながら言った。
「あるかもしれないね、行ってみようか」
ソフィアは、このお出かけがまだ続くことに目をキラキラさせ、「早く行こう!」と、私を急かした。
私たちは、コレクション用のケースを買い、その中に、買ったものを詰めた。
ソフィアは、「また行こうね!こんどは私の行ったことがない街がいいなぁ…バイエルンとか、ハンブルクとか!」と笑って答えた。私も、「私も一回はモスクワやペテルブルクに行ってみたいな」と言い微笑んだ。
ソフィアは笑って、「じゃあ今度一緒に行こ!案内してあげる!あ、私が知ってるの、1991年までだ…」と、笑った。釣られて、私も吹き出した。この笑い声は、今この時代のものだけどね。でも、ソフィアは「けど、モスクワでの私の思い出は、忘れられない、大切な思い出。国としては、なくなっちゃったけどね」彼女は、少し寂しい笑顔で返した。
「これなにー?」ソフィアは私のスマホを持って私に見せた。
「それはスマートフォン。色々便利な機能があるの。電話、時計、地図、カメラ、翻訳機とかね。」
「えー!こんな薄っぺらい板にそんなことが…って開いた。ってあれ、操作できない」
「パスワードが必要なのよ。貸して。」
私は、ソフィアに見られないように、パスワードを入れた。
「えー!これすごい!地球儀が私の手の中にあるみたい!あーこの辺、私が住んでた辺りだ!」ソフィアは、子供みたいにスマホを触って、楽しんでいた。
「そのくらいにして。」
「はーい。ねぇ、私にもこれ買ってくれる?!」ソフィアが目を、ラメでも落としたかのように輝かせて聞いてきた。
「これ結構高いし、来年にでもお金貯めて買いなさい。」
「えー…まあ…わかったよ…」ソフィアは少し残念そうにしている。
窓の外を見ると、もう暗くなっていた。私は、「お風呂入ったらもう寝よう」といい、二人でシャワーを浴びたあと、二人でベットに寝転がった。私は「ソフィアが…このままここにいるのならさ。ソフィアの部屋…欲しい?」と聞いた。ソフィアは、「欲しいかなあ…でも、こうして二人でいるのも、あの頃には感じられなかったほどの安心感があるし、どっちでもいよー」と言った。私の少し気まずくなり、目を逸らした。
お疲れ様でした!読んでくれてありがとう!




