表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

273/279

273ー腹が立つ

 王子がカトリーヌとよく一緒にいるようになったからこそ、気付けたことなのかも知れない。


「ろうし、あいにいこう」

「そうじゃな」

「でも、ろうし。どうやって? どこでかな?」

「ラウ坊、王妃様はよく教会や養護施設に慰問に行かれる」

「あ……」


 最近教会で大々的に解呪したじゃないか。民だけじゃなく、貴族も王族も定期的に教会には足を運ぶ。そこを狙われたか。


「それしか思いつかんわい」


 老師がお口いっぱいにスイートポテトを頬張り席を立った。


「でんか、あえましゅか?」

「ラウ、会ってくれるのか?」

「ろうしと、みてみたいれしゅ」

「ああ、そうしてほしい。心配なんだ」


 まるで、別人に見えたという。少し怖かったと。


「ほれ、行くぞ。とにかく見てみないといかん。手遅れになっては……」

「ろうし」

「ああ、すまんのぉ」


 老師ったら、王子の前でそこまで話すんじゃない。自分の母がと不安になっている王子は、もっと不安になるじゃないか。


「らいじょぶれしゅ。ろうしがいましゅ」

「ラウ、ありがとう」


 ほら、泣き笑いみたいなお顔になってしまっている。

 王子は幼い頃、カトリーヌくらいの年齢の時は王妃から厳しくされていた。折檻もされたのだろう。それが原因で萎縮していた時期もあったんだ。

 そんな王子を、見かねた王が手を差し伸べた。それからは子供なりに割り切ったのか、王妃に言い返したりすることもあった。

 たくましくなったなぁ、なんて思っていたのだけど。母親という存在を諦めるなんて、辛かったことだろう。まだ母親が必要な頃だったのに。

 父親がいるとしても、それでも寂しい気持ちはあったはずだ。

 それが最近カトリーヌと交流することで、会う機会も増えたのだろう。きっと、嬉しかったはずだ。

 そんな王子だから、気付けたことなのかも知れない。

 カトリーヌとはここで別れる。解呪するところなんて、まだ幼いカトリーヌには見せられないから。

 きっと意味が分かっていないだろうけど、それでもカトリーヌは不安そうなお顔をした。


「おにいちゃま」

「大丈夫だよ、ちょっとご用事ができたんだ。リーヌはお部屋に戻っていてね」

「あい……」


 俺はヒョイと老師に抱っこされた。おフクは俺の後をついてくる。

 先頭を行く王子が早足になっている。気が逸るのだろう。


「ラウ坊、いざとなったら頼むぞ」


 老師が小さな声で話してきた。


「ぼくなの?」

「ワシの解呪で、対処できれば良いがな。無理ならミミちゃんの力を借りることになる」

「みゃ?」


 こらこら、もう忘れているじゃないか。ミミ、ぴよだよ。何か言いたかったら念話だ。本当にいつも忘れる。


『わ、わ、わしゅれてないみゃ!』


 はいはい、それでどうしたの?


『ミミがしゅるみゃ?』


 老師の手に余るようならね。


『らうみぃがいるみゃ』


 え、俺か? まあ、それでもいいか。


「ぴよ」


 なんだよ、急に取って付けたように『ぴよ』なんて。


『ミミは、とりしゃんみゃ』


 都合の良い時だけ鳥さんになるんだな。まあ、いいけど。これってでも、王に報告しておかなくてもいいのか?


「ろうし、へいかに、いわなくていいの?」

「そうじゃな、報告しておかないといかんな」

「先に父上のところに行きますか?」

「ああ、殿下。そうしよう」


 なのでさっきいた王の執務室へ行くと、俺の両親とまだ話していた。老師が王子が気付いたことを説明すると、王は大きくため息をついて頭を抱えた。


「なんということだ。毎日会っている私が気付かないなんて……ルシアン、よく気付いてくれた」

「父上……」

「ライ、ラウ、老師、頼む。王妃を助けてやってくれ」

「兄上、もちろんです」


 結局、全員で王妃の部屋へ向かう。

 その時、母の使い魔のリンリンが言った。これは母と俺にしか聞こえないのだけど。


『私が魔法をかけたオルゴールが、抑えていたのだわ』

「かあしゃま」

「大丈夫よ。まだ助けられるわ」

「あい」


 ここで俺は考えていた。もしかして前の時も、王妃は呪いか精神干渉を受けていたのではないかと。

 成長したカトリーヌも、王妃と一緒に慰問に行くことがあっただろう。なら、カトリーヌだってその可能性はある。

 俺たちはデオレグーノ神王国に操られていたのか? この国を手に入れるために、時間をかけて虎視眈々と伺っていたのではないかと。

 あの国にまんまと踊らされたのか? そのために俺は……俺たちやアコレーシアの家族は命を落としたのか?

 今はまだ起こっていないことだけど、許せない。


「ラウ、落ちつくんだ」


 執務室からは老師と交代して、俺を抱っこしてくれている父が言った。思わず父の胸元をギュッと握りしめてしまったから。


「とうしゃま、ゆるしぇないれしゅ」

「ああ、してはいけないことだ」


 自分たちの国民にも反動がくるんだ。多分、それを操っている者にだって相応の反動があるはずだ。それなのに、しつこくこんなことをしてくる。

 これは一刻も早くあの国に行かないと。元を正さないとキリがない。

 前の時もこうして皆と交流を持っていたら、もしかしたら気付けたかも知れないのに。

 自分の至らなさにも腹が立つ。俺は自分一人で強くなった気になっていた。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


早くストーリーを進めたいけど、大雑把にはできない。この歯痒さ(^◇^;)

ラウを一暴れさせたいのですよね〜。

赤ちゃんの時みたいな、やんちゃなラウを!

ボチボチ頑張りまっす(^◇^;)


ラウ③のカバーイラストです!

6月発売予定です!よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゜

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
結局前世の事は、全部呪いとかのせいで、って事なのかな? だとしたら、精霊女王が、ラウに害を与えた人達の ジョブを下げたのは、見当違いの逆恨みって事?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ