241ープリンが好きなんだって
家に着いて老師がくるのを庭で待っていると、母がすぐにお邸から出て来た。
「ラウ、心配したわ」
「かあしゃま、しょれがいろいろありました」
「あら、何があったのかしら?」
母に城であったことを説明し終わったころに、やっと老師とレイラちゃんがやって来た。
老師は肩で息をしていて、膝に手をやり項垂れている。そこまで疲れるなら素直に馬車に乗れば良いのに。そんな老師の息が、やっと落ち着いたころ見計らって母が声を掛ける。
「老師、お疲れさまでした」
「おお、話を聞いたのか?」
「ええ、大変でしたわね」
「そうなんじゃ。けどフェンちゃんの、プチ加護を貰えたからのぉ。ふぉッふぉッふぉッ」
「まあ、そうなのですね」
母が本当なのか? という顔をして俺を見るから頷いておいた。本当なのだよって。
母と一緒に庭の四阿で、老師の希望通りおやつタイムだ。
今日のオヤツはふわっふわのパンケーキに、生クリームで飾られたプリンが添えられている。何故にプリン?
「あら、ラウは知らなかったの? レイラちゃんはプリンが大好きなのよ」
「へえ~」
母がそんなことを知っているなんて。おっと、レイラちゃんのお目々がキラッキラしているじゃないか。涎は大丈夫か? 本当に好きらしい。
「レイラちゃんは、ここで初めてプリンを食べたのじゃよ」
「しょうなの? あれれ? プリンって、めずらしくないれしゅよね?」
「そうね、貴族の間ではもう珍しくないわね」
おや、貴族の間ではと母が言った。
「奥様、最近王都では庶民向けのプリンを、お持ち帰りできるお店が人気らしいですよ」
「まあ、そうなのね。良いことだわ。プリンは美味しいもの」
おフクったら王都のスイーツ事情にも詳しいなんて、いつの間に街に行っているのやら。ずっと俺の側にいるのに。
「メイドの間で評判なんですよ」
「へえ~、うちのプリンもおいしいのにね~」
「はい、メイドたちもそう言ってましたよ。うちのシェフが作るプリンの方が、ずっとなめらかで美味しいそうです」
ふふふん、そうだろう? うちのシェフの腕はピカイチだからね。
「坊ちゃまが考案されたのですよね」
「え、しょうらっけ?」
「はい、そうですよ」
それは覚えてなかった。え? 本当に俺なの?
「あら、ラウは色々注文しているじゃない。それが元になっているらしいわよ」
ほうほう、だって俺は自分が食べたいからお願いして作ってもらっている。自分では作れなくて、なんとなくこんな感じとしか言えない。前世でも食べる専門だったから。それを元にシェフは色々作ってくれる。
前の時は剣に刺されて死ぬ寸前まで、前世を思い出さなかった。理不尽だぜ。どうせならもっと早く思い出したかった。そしたら色々食べられたのに。
「そうだわ、ラウ。貴族の子供たちの集まりに、招待されているのだけど」
「こどものあちゅまりでしゅか?」
「ええ、そうよ。お城であるの」
毎年お城の庭園で、ちびっ子対象の交流会があるのだそうだ。前の時もあったのかな? 俺は覚えてないけど。
そこには高位貴族の子息子女が招待される。幼い頃から社交性を養うことと、高位貴族の交流が目的らしい。
うちは公爵家なので貴族の中では一番高位になる。だって父は王弟殿下だから。まだ3歳だから、派閥なんてないだろうし気軽に参加できそうじゃないか。それにアコレーシアもきっと呼ばれているはずだ。
「かあしゃま、あこちゃんもでしゅか?」
「ええ、きっと招待されているでしょうね」
毎日お花を届けに行くつもりだったのに、最近全然行けてない。仕方ないのだけど。俺だけならまだしも、アコレーシアを危険な目に遭わせたくはないからここは我慢だ。
お城のちびっ子交流会で会えるのなら嬉しい。いやいや、アコレーシアは可愛いから、モテるのじゃないか? 要注意だな。誰にも渡さないぞ。と、フンスとちょっぴり力んでしまう。
「あら、ラウったらどうしたの?」
「らってかあしゃま、あこちゃんはかわいいから」
「まあ! 他の男の子に取られちゃったらどうしましょうね」
「かあしゃま!」
「ふふふ、冗談よ。アコちゃんだってきっとラウのことが好きだわ」
「ええー、しょうれしゅか? けろ、じぇんじぇんあえてないれしゅ」
会いたいなぁ、とは思うけど。ちょっとドキドキしちゃうぞぅ。
「あれじゃな、今年は王女殿下も出席される集まりじゃな」
「りーぬも?」
「ラウ坊が呼ばれているのは、2歳と3歳のちびっ子の集まりじゃろう」
「ええ、そうですわね」
そっか、俺は3歳だから。じゃあ他の年齢も集まりがあるのかな?
「かあしゃま、ぼくたちだけれしゅか? もっとおおきなこたちは?」
「あるわよ、年齢によって日が違うのよ」
ほうほう、ならそう大きな集まりでもないだろう。
「普段は滅多にお邸から出ないでしょう? だから良いお友達作りになるわよ」
「ぼくも、おともらちちゅくっても、いいのれしゅか?」
「あら、もちろんよ」
けど、俺はあまり外出できないし、家にも呼べないぞ。それでも友達を作る必要があるのかな?
「これから少しずつお外に出る練習をしましょうね」
「かあしゃま、しょれならあこちゃんのところへ、いきたいれしゅ!」
「あらあら、ふふふ。男の子のお友達も作ったらどうかしら?」
同性のお友達か。そういえばいない。というか、俺に友達と呼べる子なんていない。
お読みいただき有難うございます!
宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!
宜しくお願いします。
アコちゃんをそろそろ再登場させたくて(^◇^;)
ラウとアコちゃんの、可愛いカップルを書きたいのです!
それともう一人、ずっと触れていない人物がいます。どの人物なのか? あ、あいつだ!と気付いていただけると、めっちゃ嬉しいです₍₍ (̨̡⸝⸝˃ ᵕ ˂⸝⸝)̧̢ ₎₎
めっちゃ寒い日が続きます。どうか皆様、風邪などひかれませんように。
インフルも流行っているみたいです。
お気をつけください。(,,ᴗ ͜ ᴗ,,)
ラウの2巻が1月に発売になります!よろしくお願いします!٩(๑˃ ᵕ ˂ )و




