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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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239-おやつにしよう

 だけど老師がここで頑張って解毒を続けてくれていたから、助かったのだよ。


「ろうしのおかげれしゅね」

「ああ、老師。お疲れさまでした」

「ワシはもうすっからかんじゃ。もう魔力がないわい」

「アハハハ、そうですか? 平気そうに見えますが」

「フェンちゃんがずっとフォローしてくれていたからのぉ。あれがなかったら、どうにもならんかったわい」


 王子を解毒している間、フェンはずっと老師の魔力が枯渇しないようにフォローしてくれていたらしい。

 精霊からの魔力譲渡だ。ならダイレクトに王子を解毒すれば良いじゃないかって話なんだけど。


『どうしても危険だったら俺が直接解毒したけどな、そこまでじゃなかったから老師の気持ちを汲んだんだ。ラウたちが戻ってくるまで、なんとしても自分が持ち堪えるんだと思っていたからな。だから俺はフォローに徹したんだ。老師は良い奴だぞ。俺は気に入った』


 フェンがそう言いながら、フワフワと移動して父の肩に戻ってきた。

 どこにいるのか見えていないフェンに向かって老師が言った。


「フェンちゃん、ありがとうな!」

『アハハハ、どこ見てんだ。俺はこっちだぞ』

「なにしろ声しか聞こえんからのぉ。これもまた不便じゃ」


 こらこら、物欲しそうな顔をして父を見るんじゃない。声が聞こえるようになったら、次は姿をと思ってしまうのは仕方がないのだけど。


『まあ、そのうちだな』

「そのうちか!? まだワシにも可能性があるのじゃな!」


 確実ではないのに、ちょっぴり喜んで期待をしている老師だ。可愛い人なのだけどね。


「さて、ラウ坊。魔力もすっからかんになったことだし、おやつにしよう」

「おやつなの? ゆっくりやすむほうが、いいれしゅよ」

「何を言うか! ワシにとっておやつはエネルギー源なのじゃ」


 ほら、そんなことを言うから侍女さんがクスクスと笑っているぞ。

 老師の魔力が『すっからかんになった』と言った。それくらいずっと解毒をし続けてくれたんだ。フェンがフォローしていたから、枯渇はしなかったけど。

 人は魔力が枯渇すると、意識を失うと言われている。強烈な頭痛もするという。

 それを分かっていながら、老師は極限まで解呪した。いくらフェンのフォローがあったとしても、そうできることではない。

 だって恐怖心というものがあるから。助かって本当に良かった。


「ラウ坊の家でおやつにしようかの? なあ、レイラちゃん」


 老師付きのメイドのレイラちゃん。ずっと部屋の外で何故か正座をして待っていた。


「レイラちゃんには見せたくなかったのじゃ。ワシの部屋で待っていればいいと言ったのじゃがな」


 レイラちゃんは老師が部屋から出ると、すぐに側に行き老師を頭の上からつま先まで舐めるように見た。

 老師の顔色も確認している。そしてそのまま号泣だ。うぇぇーん! と、涙が噴水になるのではないかと思うくらいに泣いた。


「レイラちゃん、ワシは大丈夫じゃ。大丈夫じゃよ」


 老師がレイラちゃんの肩をポンポンとして、安心させようとしている。

 レイラちゃんはこんなに心配していたんだ。だから老師の側を離れたくなかったのだろう。レイラちゃんも良い子だね。いや、それはいいのだけど。


「どうして、ぼくのおうちなの?」

「そりゃあ、ラウ坊の家のおやつの方が美味しいからに決まっておるだろう」


 はいはい、そうなのね。


「うちの奥さんも、ラウ坊の家のおやつが超お気に入りじゃ」


 ん? 老師の奥さんって会ったことがないのだけど?


「それは良かったです。では今日もおみやげをお包みしましょうね」

「フク、悪いのぉ」

「レイラちゃんはサンドイッチも包みましょうか?」

「……ふぐッ!」


 レイラちゃんが変な声を出しながら、コクコクと何度も頷いている。おフクの言葉でピタリと涙が止まった。さすがだ、おフク。

 なんだ、この二人はうちに来る度にお持ち帰りをしていたのか。俺は全然知らなかったよ。


「ラウ、私はまだやることがある。護衛と一緒に一人で帰れるか?」

「とうしゃま、しょうなのれしゅか?」

「ああ。フク、頼んだ」

「はい、お任せください」

「とうしゃま、じゃあぼくかえりましゅね」

「ああ、母様が心配しているだろう」


 父と別れて、おフクと一緒に馬車に乗っている。その後をレイラちゃんと二人で凝りもせず走ってくる老師。さすがに馬車のスピードにはついて行けず、姿がどんどん小さくなる。だから走らないで、老師も馬車に乗ろうと言ったのに。また腰を痛めちゃうよ。

 一緒に走っているレイラちゃんはやっぱ若いから、楽勝みたいだ。涼しい顔をして老師の後を走っているもの。でも老師は、えっほえっほと息を切らせながら走っている。


「ろうしったら、またはしってる」

「ふふふ。もう何年も前から、もう走るのは止める方が良いと言われているそうですよ」

「え……」


 何年も前からだって。そんなになのか? まあお年だものね。その走り方もまた個性的なんだ。足を意識的に上げているのか? と思うくらいだ。腕をしっかりと振って、走っている。だけどね、本当にそろそろやめよう。心配になってしまう。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


王子の解毒で緊迫していたのは一段落しました。

今日はもう22日ですね。

ちょっと頑張ってクリスマスSSを書かないと(^◇^;)

25日に投稿予定です。

リリ、ハル、ロロ、ラウ、ココを一気に投稿するか、半分を24日投稿するか、どちらが良いでしょう?

あんまり一度に投稿してもなぁ、と思うのですが。

感想欄でご意見をお聞かせいただけると嬉しいです。

クリスマスSSを投稿する日は、通常の投稿はお休みさせていただきます。

頑張るぞー!よろしくお願いいたします(*ᵕᴗᵕㅅ)✽*。✽


ラウの帯入り書影が公式から発表になりましたので、後ほど活動報告にアップします。

まだ、みてみんに登録していないので(^◇^;)

挿絵(By みてみん)

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