10話技…
ドラゴンの中でも火の属性を持ちファイヤードラゴンまたは火竜とも呼ばれる存在が俺の目の前に現れた。
ーーガァァァァァァァッッ
『ファイヤードラゴン…六つある属性のうちの一つを火を司るドラゴンであり火竜とも呼ばれている。六つある属性のどのドラゴンよりも攻撃的な性格をしており空を飛ぶ自然災害と言われ見かけたら抵抗するのではなくすぐさま逃げろとまで恐れられている。』
「まじかよっっ!立ってられないッッッ!」
ドラゴンが地面に降りただけで地震が発生したのではないかと疑ってしまうほどに揺れた。それはもう何かに捕まっていないと立っていられないほどに…つまりまわりに支えとなるものがない今の状況で俺が立っていられるわけもなかった。
「やべぇ!早く立たないと!」
もちろん立っていられない俺をドラゴンが見逃すわけもなく、すぐさま口から火が溢れ出したかと思えばそれを俺に向かって噴いてきた。
ーーファイヤーブレス
ファイヤードラゴンがよく使う相手を殺す技……みたいなものだ。これは俺たち人間が言っているだけでファイヤードラゴンにとっては技なんかではなく数あるうちの一つの攻撃手段に過ぎないのではないかと思う。
なぜなら………
「技って言う割に連発しすぎだろ!」
技と言う割に何度も何度も連発して放ってくるからだ。もちろんもしかしたらこのファイヤーブレスは俺たち人間からしたら必殺#技__・__#になるかもしれないがドラゴンからしたら攻撃するための#技__・__#術という違いがあるのかもしれないという疑問を抱かずにはいられなかった。
「余計なこと考えてる暇はなさそうだ!」
ドラゴンはこのままやっていても逃げ回ることしかしない俺を仕留め切れないと判断したのか大きく息を吸い込むと先程とは比べ物にならないほどに口の中から火が溢れ出した。
(あれはやばいッッッ!)
おそらく大技を繰り出そうとしているのだろう。その様子を見た俺は何かを考えることをやめ、ただひたすらにドラゴンから距離を取るために必死に走り出した。その言葉通り必死だった。何かを考えることをやめたのではなく何かを考えられない程に全力で距離を取る。
ーーガァァァァッッッッ
ドラゴンの口から火の海が放たれた。それは止まることなく逃げる俺を追うかのように迫ってくる。俺は振り返ることなく逃げる。だが俺の逃げる速度よりもドラゴンが放つファイヤーブレスの方が早く俺との距離は縮まっていく。
(熱い!熱い!熱いっっ!)
直撃したわけでも掠ったわけでもないのに伝わってくる。それほどにドラゴンが放ったファイヤーブレスは温度が高く、それ故に振り返ることなく逃げる俺にファイヤーブレスとの距離を教えてくれる。
(ここだ!)
俺は一直線に逃げていたのをやめ、横に向かって飛び込むようにして避ける。
「なんとか助かった…」
俺は生き残った…先ほどまで走っていた場所は地面がえぐられかすかに燃えていた。




