魔力の増え方
「まるで品種改良だな。より強力な魔力を持って生まれるように自分で自分を改良しているようにしか思えん」
ある意味では究極の自己管理と言えなくもないのか。
「そういう部分はあるだろうね。実際、昔の人より現代人の方が魔力の質も量も高いって言うのが通説だし」
「その昔って言うのがどれくらい昔なのかでも大分話は変わって来ると思うが……」
「平均レベルで言えば近年どんどん上がってるのは事実だよ。ただ、これは全体のレベルが上がってるってわけじゃなくて、食料事情の関係で下層のレベルが上がってるのが最大の要因だって言われてるね。だから上限のレベルは今と昔とで大差無いとも言われてるし、時代によっては貴族階級でさえも魔力が乏しかった暗黒時代があったとも言われてるね」
人間の持つ魔力と食糧事情に密接な関係があるという前提を踏まえた上で、貴族階級でさえも魔力が枯渇した時代があるという事はつまり、食料が枯渇していた時代が過去にあったという事か。
「過去に大飢饉でもあったのか?」
「あったね。天災だったり人災だったりで土地がやせ細って結果的に魔力が枯渇したりして……そうなると、土地から魔力を回復させるのに物凄い苦労する羽目になるね。ゼロから魔力を生成出来る生物もいるにはいるけど、大半は今ある魔力を二倍にも三倍にも増幅させる生物が主流だし」
「ゼロはいくつかけてもゼロってわけか」
「そうだね。少なくとも人類が要求する魔力レベルは生産者が作る足し算の魔力じゃ全然足りないって言うのが実情で、精霊魔法だとか魔物だとかで掛け算し続けて貰わないととても維持出来ないね。だから一度でも枯渇すると、立て直すまでに手間取ってそのまま敵国に滅ぼされる……なんて事もそこそこあったみたいだよ」
今の説明でそこそこ止まりなのか……確かに資源の無い土地だけ手に入れてもかえって自分の首を絞める事になるだろうな。せっかく手に入れた土地を奪い返されないためにも、必然的に戦略的に価値の低い土地を守るためにその分だけ戦力を増強して、魔力が増えるように土地改良を進める必要が出て来るんだからな。そう考えると、出来るだけ土地を疲弊させずに占領する戦略が必要になるわけか。そりゃあ数百年間大国が存続し続けるわけだよ。明らかに攻める側がハイリスクローリターンになる。一度不利になったら一気に転げ落ちるが、逆に有利な時は青天井で成長していくわけだからな。




