~ 童子の 悲しみ ~
「何でや … おっ父 … 何でなんや … おっ母 … 腹 減った … 腹 減ったなぁ … 」
バ ッ タ ~ ン ッ !!
隙間 風が ビュービュー と …
真っ暗な 家屋を 四方に 駆け抜けた …
ウ ゲ ッ ! ウ ゲ ッ ! ウッキャキャッ !
動かなくなった筈の 童子 は …
奇妙な 奇声を上げて
ムックリ 起き上がると …
家 の 梁から ブラリ と 垂れ下がる
二本 の 足に むしゃぶりつき
ガリガリ と 喰い始めた …
「おっ父 … シナッコイなぁ … 筋だらけじゃ ! ウッキャッキャ !!」
おっ父 の
足から 頭 まで
骨 と 髪 以外 の 全てを 喰い終えると …
童子 の 瞳 は …
不気味に 赤く光り始めた …
「ウッキャキャッ ! ウッキャキャッ!次は … おっ母 だ …」
炉の横で
おっ母の胸に めり込んだままの
斧を バンッ !と 投げ捨て
バ リ バ リ ! ビチャッ!ビチ ャ ッ!
童子 は 斬れた 胸から
肉と皮を 引き千切りながら
「おっ母の方が おっ父より 柔いな … 」
ビシッ! ビチャッ! チューチュー ッ!
と おっ母も 貪り喰った …
童子 の 躰 は …
影のように 真っ黒に変わった …
童 子 は
腹 を ポンポンと叩き
板の間に 躰を ゴロン と 横たえた …
「憎 イ … 憎 イ … アイツラ … 誰モ 許サンゾ !!」
ギリリ!ギリリ! と 歯軋りをしながら
童子 は 真っ赤な涙を流した …




