第2話 クラスメイトは神社のお仕事が気になるようです。
⚪︎学校で…
教室のドアを開けて自分のクラスに入ると、何人かのクラスメイトがこちらを見てきた。笑いを堪えているやつもいないか?
さすりさすり…
まあ普段、頭をさすりながら教室に入るようなやつじゃないしな、俺。
「おはy…」
??「あれ?その頭どうしたの?頭、大丈夫…?春原くん」
文面だけ見ればまるで俺が馬鹿にされているような言葉だが、その声の主は、少なくとも俺を馬鹿にするような人ではない。
「ああ…ちょっとだけ頭を天井にぶつけただけだ。大丈夫だよ。心配ありがとう、五十山さん」
俺を心配して声を掛けてくれたのは、クラスメイトの五十山琴巴さんだ。
雰囲気が柔らかくふんわりとしていて、いつもニコニコしている。
学力は俺と同じか少し俺より高く、スポーツもある程度はこなす。
そしてまるで小動物のような(失礼)ちまっとした見た目から想像できないような食欲を持つ。そのギャップから、クラスどころか学年全体でも人気の女子である。
このように、性格は聖女そのもの。俺は五十山さんの友人の1人だ。それも、休み時間によく話すような友人ってわけだ。ちなみに、中学校は同じである。
五十山さん「よかったぁ。大丈夫なんだ」
心の底から笑っているような笑顔は、まるで天使。
あ、別に惚れてるわけじゃないぞ?単に仲がいいだけだ。
五十山さん「そうだ、春原くんに話があるんだけど…ちょっと恥ずかしいから、昼休みになったら中庭に来てくれない…?」
クラスメイトA「えっ?五十山さん…?もしかして…?」
クラスメイトB「こ、告白ぅ…?エモい…」
んなわけないだろ。
話…?さて、何の話だろうか?
てかこの人が俺のこと好きなはずがないから、告白は100%ありえない。
もしくは恋愛相談…?
まあいいや。とにかく時間はあるので聞いてあげよう。
「話?ああ、別にオッケーだけど。昼休みに中庭でいいんだな?ベンチあたりで待っとくよ」
五十山さん「ありがとう!」
五十山さんはニコニコしながら俺の席を離れていった。
─やがて時間が過ぎ、昼休み。
ビュオオオォォ…
春風が俺の周りを吹いた。ああ…髪が…。
「にしても、まだかな…?」
そう。俺は今中庭にいる。
早めに昼食を取って五十山さんを待ってるんだが…。
タッタッタッタッ…
あ。来た。音は軽やかなんだが、めっちゃ猛スピードでこっちに向かって走っている。怒られないのか心配だ。
五十山さん「ゼェゼェ…ごめんな…さい。頼み事する側が遅く…なっちゃって…」
いや、呼吸整えてからしゃべってもろて?俺は別にせかしたりしないから。
「いや、全然いいよ。っていうか、頼み事って?」
五十山さん「ええっとぉ…あの、春原くんのところって、お家が神社じゃない?」
あれ?俺ん家の話…おっとこれはいい方向に風が向いてきたのでは?
「そうだけど…もしかして、巫女さんやりたいとか?」
これが俺の中の最適解。うちの神社は、それなりに大きいから確かに人手はある。だけど若い人が少ない。いるにはいるんだが…それはうちの姉さんが大学の同級生を片っ端からバイト(ちなみに時給1100円である)に引き込んでいるからで、俺はそういった面では何一つ貢献できていない。
ただ今までも学校内で、巫女さんがやりたいっていう人がいたのでもしかしたら…と思ったから。
俺がそう言うと、五十山さんの顔がぱあっと輝く。天使かよ。
五十山さん「うん!そうそう!私、巫女さんやってみたかったんだ。いいの?」
「全然OK。むしろ来てもらった方がありがたいからさ。今日にでも…来れたら大歓迎だから!まあ、親には伝えとくよ」
五十山さん「いいの!?ありがとう!え、じゃあ今日にでも…いい?」
圧倒的やる気。素晴らしい。
「分かった。神社の場所は知ってるだろうから、放課後、いつでも来ていいよ。俺部活入ってないし、毎日神社にいるから」
五十山さんのことだ。何か用事でもあったらいけないし。時間を指定しない方がいいだろう。
五十山さん「うーん…じゃあさ。春原くんが良かったら…今日一緒に帰らない?」
うん?うん。まぁそうなるか。そりゃ頼み事しといて遅くなるような用事を入れるはずがないもんな。五十山さんらしいや。
そんな気持ちはおくびにも出さず俺は返した。
「そうだな。俺は歩きだけど大丈夫?」
五十山さん「私も歩きだよ。中学校一緒だったじゃん」
というわけで、俺はクラスメイトの女の子と一緒に帰ることが決まった。
やばい。もうすぐ5限目が始まっちゃうな。
こうして、俺たちは急いで教室へと戻るのだった。
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クラスメイトA(えっ!?琴巴ちゃんが、春原くんに帰宅デートのお誘い?!クラスでも仲良くしてるし、2人ってもしかして付き合ってる…?!え、え、えー?!大ニュースじゃん!)(勘違い)
クラスメイトB(晴琴…尊い…。一緒に帰ろ…?って強くない…?やばい…みんな春原くんの魅力に気づき始めたか…)(勘違い)
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