表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
211/241

45話 友人に頼む戦乙女

 フローレンスと共に向かうのはリーゼロッテの部屋です。

 彼女の父はドイツの武器開発会社を経営しています。

 天使レーダーを作ったのも彼。

 ならばゲートに関しても何かしら情報を得られるはずです。


「それでリーゼちゃんがお父さんに聞いてくれるって」


 綾乃はそう言いながら美月の横を歩いていました。

 伊達とあっている時より安定している彼女を見て美月はほっとしつつレンへと目を向けました。


「レンちゃん……お願いできる?」

「うん」


 3人はリーゼの部屋へとつくとインターホンを押します。

 すると中からはリーゼロッテが顔を出し。


「……美月ちゃん?」

「リーゼちゃん、レンちゃんがゲートについて少し知ってるみたいなの」


 ここに来た理由を告げるとリーゼは表情を明るくし部屋の中へと招き入れてくれました。


「うわぁ……」


 中に入ると綾乃は驚いた顔をします。

 美月もまた同じように驚きました。

 何故ならそこには……。


「ピンクだ……」

「ヤー! 好きなんです」


 部屋の中は一面ピンク色だったのです。

 好きな人は良いでしょう。

 ですが、そうじゃない人にとっては……。


「す、少し目が痛いかも……」


 一面ピンクでは少し目がちかちかしてしまいます。

 とはいえ、今回この部屋へ来た理由はしっかりとあります。


「それでゲートの事だけど……」

「うん! お父様に話してほしいから、今モニター通信を起動しますね」


 笑みを浮かべたリーゼはそう言うと機械を操作し始め。

 数回のコールの後、モニターに映るのは見たことのある男性です。

 彼は美月たちを見ると驚くが……。


「…………」


 すぐに何かを目にすると――。


「コンニチハ」


 片言を話し始めました。


「え? 日本語覚えたの?」


 綾乃は彼に対し驚いた声を上げます。

 するとリーゼは……。


「ヤー! これから取引とかするからと勉強をしたって言ってました」

「コンカイハ、ドンナゴヨウデ?」


 少し聞き取りにくいが意思疎通は出来そうです。

 美月はほっとしつつレンへと目を向けると、彼女の背を押しました。


「ゲートの事話して?」


 すると彼女は頷き、ゆっくりと口を開きます。


「くわしい、話は分からない……けど……」


 そう言うとリーゼの父は微笑み。


「ドンナコトデモイイ」


 と口にし、レンは頷きつつまたゆっくりと口を開く。


「分かった……まず、ゲートは私が知ってる情報では失敗した物だった」


 失敗。

 つまり使い物にならなかったはずです。

 しかし、今はまた使おうとしています。

 その理由は簡単でしょう。

 つまり使える物になった……。

 その事実は覆せないでしょう。


「だけど……そのゲートのデータ、ある?」


 その事を話すと思っているとレンは予想外の事を訪ねていました。


「ゲートのデータ? リーゼちゃん……ある?」

「ヤー! これです!」


 リーゼは返事を返すとレンへとタブレットを渡すのでした。

 するとレンはそれを眺め始め……。


「失敗した理由は座標を固定できなかったこと……だけど、先に設置するとばれる……」

「でも私たちが見た時は……」


 美月が彼女にそう言うとレンはタブレットを持ち上げ……。


「多分、分かりやすい言い方だと光学迷彩……を作ったんじゃ?」


 と口にするのでした。


「ちょっと待って!?」


 すると反応をしたのはリーゼの父ではなく、綾乃です。

 彼女はレンに詰め寄るように近づくと肩をつかみ尋ねます。


「光学迷彩っておかしくない!? ゲートより先に作るんじゃ!?」

「意味が分からない、先に光学迷彩が出来てないといけない理由なんてない……そもそもゲートと光学迷彩、研究を進めるにしても別物」


 そう言うと綾乃ははっとし……。


「た、確かにそう、だけど……」


 歯切れの悪い言葉になりつつも肩から手を放すのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ