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44話 ゲートを調べる戦乙女

 吉沢のいる部屋は医務室です。

 部屋の中へと入ると……。


「あら、どうしたんですか?」


 吉沢は二人が来たことに気が付き、すぐにじっと見つめてきました。

 ですが、変な感じはしません。

 恐らくどこが悪いのか? と考えているのでしょう。


「あ、あのレンちゃんは何処に?」


 美月は彼女に尋ねると彼女は奥の部屋へと指を向けました。


「何か変なことしてない?」


 そう言うのは綾乃です。

 弱弱しい彼女の言葉に首を傾げる吉沢でしたが……。


「してませんよ」


 と答えます。

 ですが、明らかに視線を外している彼女に対し、不安を覚えました。

 疑いつつ彼女を横目に奥の部屋へと入ります。


「…………」


 扉の音が聞こえると飛び跳ねるように振り返る影がありました。

 しかし、入ってきたのが美月たちだと気が付くとほっとした様子です。


「レンちゃん?」

「大丈夫?」


 二人が訪ねると首を横に振るフローレンス。

 彼女は見たことのない服を着ていました。

 やけに露出の多い服ではありましたが……彼女の可愛らしさを引き立てるようなもので……。


「どうしたの? その服……」

「むりやり……」


 がたがたと震えながらそう口にするフローレンスを見て、どんなことをされてしまったのかと想像するのも恐ろしいとさえ思いました。


「え、えっとその……」


 美月はどう話を切り出したものかと考えますが……。

 彼女の落ち込んでいる様子でどうも言い出せませんでした。


「それで、どうしたの? みつき?」


 レンは美月が何か話をしたいと気が付いたのでしょう。

 逆に尋ねてくれました。

 その事にほっとした彼女は……。


「あのね、レンちゃんはゲートって知ってる? 別の場所に移動する兵器」


 彼女へと尋ねるのは天使が使っていた新しい兵器。

 いや、新しいのかも分からないのです。

 だからこそ尋ねてみたのですが……。


「ゲート……」


 その言葉を繰り返したレンは険しい顔を浮かべていました。

 どうやら何かを知っているようです。


「ねぇ、何か知ってるの?」


 綾乃は彼女へと尋ねると……。


「知ってる、だけど……ゲートは失敗してたはず」

「失敗? どういうこと?」


 失敗した兵器を再び使っているとでもいうのでしょうか?

 そんな事を考えていると……。


「元々ゲートは宇宙を移動するための装置……」

「そ、そうなの!? それって星の戦争とか起動兵士とかに出てくるやつ?」


 綾乃は身を乗り出し尋ねますが、美月とレンにはたとえが分からず首を傾げます。

 すると綾乃はハッとした表情になり……。


「えっと、宇宙って広いから普通に言ったら何万光年とか先になるでしょ? それを一気に飛ぶ技術って事?」

「そう、その通り」


 今度は通じたみたいでほっとする綾乃でしたが……頭を抱えて悩んでいるようです。

 どうしたのでしょうか? 美月は疑問に思いつつもレンへと尋ねます。


「でも、それは失敗してるんだよね?」

「ううん、多々普通に飛ぶだけならできるよ、だけど元が近くを移動するための物じゃないから失敗していたって聞いてる」


 もしそれが完成していたら……。

 と付け加えた少女は青い顔をして震えています。

 つまり、現状から察するに……。


「完成してたら天使は私達を殺しに来る?」


 美月はそうつぶやき……綾乃とレンは固まってしまいました。

 口に出してしまった事から美月自身も恐怖に飲まれかけました。

 ですが……。


「逆に調べる事が出来ればこっちから向こうに行ける……」

「……そう、だね。反撃の一手になるかもしれない」


 今度の言葉には頷いて答える綾乃。

 彼女と一緒ならなんだってできそうだと美月は思い浮かべ……。


「レンちゃん、お願い……ゲートについて知ってることを教えてほしい人が居るの」


 とフローレンスに願うのでした。

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