表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドミノ・クラッシュ・ボウリング  作者:
【序章】 ボウリングには歴史がある

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/7

次なる歴史は、日本から始まる(その一)

 日本にほん高速こうそく道路どうろを、くろ大型おおがたトラックが疾走しっそうしていた。


 左右さゆう車線しゃせん変更へんこうをくりかえしては、ほかくるま次々(つぎつぎ)いていく。


 トラックを運転うんてんしている女性じょせいは、表情ひょうじょうえずにスピードをつづけた。


 褐色かっしょくはだ金色きんいろかみくろいサングラスをかけているので、ひとみいろはわからない。


 この女性じょせいはプロの『はこ』だ。ひともの目的地もくてきちまではこぶ。依頼料いらいりょうは「時価きまぐれ」だ。


 女性じょせい片方かたほうみみに、小型こがた通信機つうしんきをつけている。


 通信機つうしんきから「トン・トン・トン」とおとこえてきた。これは合図あいずだ。準備じゅんびととのったらしい。


 女性じょせいはサングラスのおくで、視線しせんよこへとうごかした。


 まずは、ハンドルのひだりにぶらげている「ストップウォッチ」へ。つぎに、そのとなりの「カーナビ」をる。


 もうすこいそぐか。アクセルをつよんだ。


 世界せかい加速かそくした。周囲しゅうい景色けしき後方うしろへとんでいく。


 一方いっぽう、『はこ』の女性じょせいに「トン・トン・トン」の合図あいずおくった人物じんぶつは、このとき大型おおがたトラック後方こうほうの「トレーラー内部ないぶ」にいた。


 車内しゃないにしては快適かいてきだ。ふっくらしたソファーがあって、そのまえには薄型うすがたテレビがいてある。


 テレビにうつっているのは、ある場所ばしょだ。


 大学生だいがくせいたちが体育館たいいくかんで、大量たいりょうのドミノをならべている。現在げんざい進行形しんこうけい映像えいぞう


 かれらは大学だいがくのサークル活動かつどうで、日本にほんしん記録きろく挑戦ちょうせんちゅうだ。


 用意よういしたドミノをすべてならえたあと、一回いっかいのアクションで全部すべてたおすことができれば、「日本にほんしん記録きろく達成たっせい」となる。


 のこっているドミノはあとすこしだ。大学生だいがくせいたちはかなりつかれているものの、ゴールがちかいとあって、その表情ひょうじょうあかるい。


 すべてのドミノがたおれると、浮世絵うきよえふうのイラストが出現しゅつげんする仕掛しかけだ。


 その瞬間しゅんかんおさめようと、テレビきょく新聞社しんぶんしゃのカメラマンたちがていた。肝心かんじん記録きろく判定員はんていいんも、もなく到着とうちゃくする。


 そんな映像えいぞうを、なぞ人物じんぶつ大型おおがたトラックのなかていた。


 この人物じんぶつ表情ひょうじょうはわからない。


 なぜなら、頭部とうぶ全体ぜんたいおおう「くろ仮面かめん」をかぶっているのだ。部分ぶぶんだけがあかひかっている。


 全身ぜんしんくろ金属きんぞくスーツを着用ちゃくようしているので、ひとによっては、「ロボット」のような印象いんしょうけるかもしれない。映画えいがやゲームにいそうなデザインだ。


 しかし、仮面かめんしたからこえてくる呼吸音こきゅうおんは、あきらかに人間にんげんのもの。体形たいけいも「ロボット」にしてはきしまっている。


 この『くろ仮面かめん』をせた大型おおがたトラックが、高速こうそく道路どうろりた。


 いくらかスピードをゆるめたものの、前方ぜんぽう一台いちだい乗用車じょうようしゃつけると、あっさりいていく。


 この瞬間しゅんかん、トラックを運転うんてんしている女性じょせいは、かすかにみをかべた。


 もなく目的地もくてきち到着とうちゃくする。林間りんかん学校がっこうなどに使つかわれている施設しせつだ。そこでは現在げんざい大学生だいがくせいたちが「ドミノの日本にほんしん記録きろく」に挑戦ちょうせんしている。


 女性じょせいはカーナビをた。そのつぎにストップウォッチ。


 確信かくしんする表情ひょうじょうで、カーステレオへとゆびばした。音楽おんがくをかける。おりのきょくだ。


 そのあとで、みみにつけている小型こがた通信機つうしんきをはずす。カーステレオのすぐそばにいた。


 これで、後方こうほうトレーラーないにいる依頼主クライアントにも、このきょくこえるだろう。きょくのサビは四〇びょうだ。そのことを、わせのときつたえている。あと四〇びょうで、目的地もくてきち到着とうちゃくだ。


 女性じょせい大型おおがたトラックを加速かそくさせる。


 やま木々(きぎ)おくに、お目当めあての施設しせつえてきた。あと二〇びょう


 アクセルはゆるめない。ドライブは順調じゅんちょうだ。


 大型おおがたトラックが施設しせつもんはしける。あと五(びょう)。このさきにある体育館たいいくかん目指めざす。


 女性じょせいきゅうブレーキをんだ。


 大型おおがたトラックのタイヤがいきぎなしの絶叫シャウトをしながら、アスファルト路面ろめんよこすべりしていく。


 そして、体育館たいいくかん真横まよこまった。偶然たまたまではない。意図いとしてやった。これがプロの腕前うでまえだ。


 ここでちょうど、きょくがサビにはいる。


 と同時どうじに、後方こうほうトレーラーの側面そくめん展開てんかいはじめた。体育館たいいくかんほうかって、片側サイドパネルひらいていく。四角しかく金属きんぞくつばさ


 その片翼かたよくがつくるかげおくまった場所ばしょ、そこにいるのは、あの『くろ仮面かめん』だ。全身ぜんしんくろ金属きんぞくスーツでおおっていて、銀色ぎんいろのマントをつけている。


 部分ぶぶんあかひかっていた。そのひかりさきほどよりもつよい。


 そして、「くろいボウリングのたま」をっている。


 このとき体育館たいいくかんそとには数人すうにん大学生だいがくせいたちがいた。自動じどう販売機はんばいきものでもおうと、そとてきたのだ。


 かれらのまえで、くろ大型おおがたトラックが緊急きんきゅう停止ていしした。直後ちょくごに、後方こうほうトレーラーの片側サイドパネルひらいて、なぞ人物じんぶつ登場とうじょう


 大学生だいがくせいたちは白黒しろくろさせながらおもった。


 このなぞ人物じんぶつ、その外見がいけんからして、「記録きろく判定員はんていいん」ではなさそうだ。ボウリングのたまっているし、まさか・・・・・・。


 大学生だいがくせいたちがならべている「ドミノ」は、あとすこしで完成かんせいする。そう、あとすこしで。


 そんなタイミングにあらわれた、なぞ人物じんぶつだ。しかも、には「ボウリングのたま」・・・・・・。


 あたまなかで、そのふたつがむすびつく。「ドミノ」と「ボウリングのたま」。


 いや予感よかんしかしない。まさか、『DCB』か? しかし、『DCB』なら、こういう行為こうい禁止きんししているはず。


 一方いっぽう、テレビきょく新聞社しんぶんしゃのカメラマンたちは、この異常いじょう事態じたいにすぐさまうごいた。ばやくカメラをけて、なぞ人物じんぶつ撮影さつえいしようとこころみる。


 その直後ちょくご、トレーラーのそとに、『くろ仮面かめん』がしてきた。


 はやい! くろいインラインスケートをはいている!


 すべりながら加速かそくする『くろ仮面かめん』。


 前方ぜんぽうへとおおきくジャンプした。体育館たいいくかんなか突入とつにゅうする。


 そこには、大量たいりょうのドミノがならんでいた。「日本にほんしん記録きろく」をねらえるかずだ。大学生だいがくせいたちの努力どりょく結晶けっしょう


 そんなドミノに、『くろ仮面かめん』がかっていく。


 このときちょうど、体育館たいいくかんそと一台いちだい乗用車じょうようしゃまった。


 くるまっているのは、本物ほんもの記録きろく判定員はんていいんだ。


 体育館たいいくかんまえに、荒々(あらあら)しくよこづけされた大型おおがたトラック。


 また、乗用車じょうようしゃそとでは、数人すうにん大学生だいがくせいたちが、こっちにかってさわいでいる。


 なに問題もんだい発生はっせいしたらしい。


 記録きろく判定員はんていいんはすぐさまくるまからりた。大学生だいがくせいたちにかされるまま、体育館たいいくかんなかへとはしる。


 一方いっぽう体育館たいいくかんなかでは、一人ひとり女子じょし大生だいせいりょううで左右さゆうひろげて、『くろ仮面かめん』の正面まえちはだかっていた。


 あのくろい「ボウリングのたま」、この状況じょうきょうでの使つかみちは、ひとつしかおもいつかない。『DCB』だ。


「それだけは、やめてー!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ