禁酒法の時代(その二)
場所は変わって、ニューヨーク。
ある紳士が「銃撃戦の新聞記事」を読んでいた。
新聞を折り畳むと、紳士はどこかへと向かう。
この紳士の趣味は、『九柱戯』だ。
しかし、現在は保安官たちの目が非常に厳しい。
禁止されているのは、『九柱戯』を対象とした賭博だが、普通に『九柱戯』をしているだけでも、嫌疑をかけられてしまう。
だから、最近はもっぱら『十柱戯』だ。『九柱戯』に一本追加すれば、『十柱戯』になる。
この『十柱戯』、四〇年前にアメリカで大流行した。それが今になって急に、再ブームの兆しが出始めている。
これもすべて『禁酒法』が原因だ。『九柱戯』を対象とした賭博は駄目だが、『十柱戯』については記載がない。法の「抜け穴」になっているのだ。
そういうわけで、『禁酒法』が廃止になるまでの間、アメリカ中で『十柱戯』が、勢力を拡大する。『九柱戯』を一気に駆逐した。
これがボウリングの歴史に、大きな影響を与えることになる。
時は流れて、第二次世界大戦後。
アメリカで発明される。「ピンを自動で並べる機械」だ。人が並べるのは大変なので、これからは機械に任せることにする。
で、この機械が並べるピンは「十本」だ。九本ではない。
アメリカでは、『十柱戯』の方が、『九柱戯』よりも人気なので、こうなるのは当然だった。
この機械が世界中に拡散していく。
その結果、ボウリングのピンと言えば、「十本」が「普通」になった。
さて、このようにボウリングには歴史がある。長い長い歴史がある。
そんな歴史があって、ボウリングは現在に至っている。
そして最近、この歴史にまた、新たな変化が起きようとしていた。
次なる歴史は、日本から始まる。




