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ドミノ・クラッシュ・ボウリング  作者:
【序章】 ボウリングには歴史がある

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3/7

アルマダの海戦

 ふく司令官しれいかんのドレーク提督ていとくかんがえるに、英国イングランドがわてるとしたら大砲たいほう次第しだいだろう。イングランドの大砲たいほうは、スペインのものよりも射程しゃていながい。相手あいて射程しゃていがいから攻撃こうげきできる。


 しかも、こちらは小舟こぶねおお編成へんせいだ。ひとひとつのまとちいさい。相手あいて攻撃こうげきてることに、かならずやこずるはず。


 とはいえ、楽観視らっかんしはできない。『無敵むてき艦隊かんたい』は船体せんたいおおきいぶん、その装甲そうこう堅固けんごだ。こちらの砲撃たいほうをかなり命中めいちゅうさせなければ、撃沈げきちんするのはむずかしい。


 英国イングランド勝利しょうりは、水兵すいへいたちの奮戦ふんせんにかかっていた。砲撃たいほうおお命中めいちゅうさせることができれば、勝利しょうりかならえてくる。


てき艦隊かんたい襲来しゅうらい!」


 そのらせをいたとき、ドレーク提督ていとく芝生しばふうえにいた。友人ゆうじんと『九柱戯スキトルス』にきょうじていたのである。


たか」


 ここまでは予想よそうどおりだ。あとは水兵すいへいたち次第しだい


(たとえ『無敵むてき艦隊かんたい』が相手あいてでも、あまり緊張きんちょうせずにたたかってくれれば・・・・・・)


 ドレーク提督ていとくは『九柱戯スキトルス』を最後さいごまでつづけた。


(すでにそう司令官しれいかんのハワードきょうが、予定よてい行動こうどうをとっているはず)


 しばらくして、みなと出撃しゅつげきっているイングランド艦隊かんたいまえに、ドレーク提督ていとく姿すがたあらわした。


 そのにはなぜか、『九柱戯スキトルス』のたまっている。


偉大いだいなる兵士へいし諸君しょくん出撃しゅつげきまえ儀式ぎしきだ」


 旗艦きかん甲板かんぱん、ドレーク提督ていとく前方ぜんぽうには、レンガがげられている。


 それらのレンガはなぜか、ふねのようなかたちをしていた。


 これは旗艦きかんだけのはなしではない。ほかふね甲板かんぱんにも、おなじようにレンガがまれている。イングランド軍艦ぐんかんかたちではなく、スペイン軍艦ぐんかんかたちだ。


 ドレーク提督ていとく部下ぶかたちにめいじて、これを用意よういさせていた。


ていろ。この儀式ぎしきはこうやるんだ」


 そうって、『九柱戯スキトルス』のたまころがす。


 まっすぐな軌道きどうで、目標もくひょう命中めいちゅうした。レンガのふね半壊はんかいする。


芝生しばふうえよりも甲板こっちほうが、木目もくめがあるぶんねらいをつけやすいな」


 ドレーク提督ていとくこえげる。


「さあ、おれつづけ!」


 こうしてすべてのふねで、変則へんそくてきな『九柱戯スキトルス』がはじまった。


 水兵すいへいたちが順番じゅんばんに『九柱戯スキトルス』のたまころがして、レンガのふね破壊はかいしていく。


 ふね何回なんかいも、もとかたちへともどされた。


 しかし、ほか水兵すいへいたちによって、すぐに破壊はかいされる。


 ころいをはからって、ドレーク提督ていとくった。


「そろそろ全員ぜんいんからだあたたまったな」


 雄叫おたけびをげる水兵すいへいたち。


くぞ、祖国そこくのために!」


祖国そこくのために!」


われらが女王じょおう陛下へいかのために!」


女王じょおう陛下へいかのために!」


 イングランド艦隊かんたい出航しゅっこうしていく。そのふねかたちはさまざまだ。


 それも当然とうぜんだろう。正規せいき軍艦ぐんかんで、ここにあるのは三十四(せき)。あとのおよそ一五〇(せき)民間みんかんふねだ。祖国そこく危機きき提供ていきょうされたふねである。


 そのまますすんで、ドーバー海峡かいきょう沖合おきあいえてきた。スペインの『無敵むてき艦隊かんたい』だ。三日月みかづきがた陣形じんけいかまえている。大型おおがたせん密集みっしゅうしていた。


 イングランド艦隊かんたいあしめる。こちらの大砲たいほうがぎりぎりとど位置いちだ。ここなら、相手スペイン大砲たいほうとどかない。


 このとき、ドレーク提督ていとく発砲はっぽう許可きょかしなかった。


攻撃こうげき集中しゅうちゅうさせなければ、意味いみがない)


 砲弾ほうだん有限ゆうげん。しかも、いっぱつはつで、スペインの大型おおがたせんしずまないのだ。


たま有効ゆうこう使つかわないとな)


 イングランド艦隊かんたいは『無敵むてき艦隊かんたい』とにらったまま、よるむかえる。


 そして、夜更よふけに事態じたいうごいた。


 スペインの風上かざかみ突然とつぜんべつ艦隊かんたいあらわれる。


 ほのお艦隊かんたいだ。どの大型おおがたせんえている。


 それらが一団いちだんとなって、『無敵むてき艦隊かんたい』へと突進とっしんしてきた。


 これを仕掛しかけたのは、イングランドのそう司令官しれいかん、ハワードきょうである。


 まえもって役割やくわり分担ぶんたんをしていた。


 ドレーク提督ていとくが『無敵むてき艦隊かんたい』の注意ちゅういきつけて、よるつ。


 ハワードきょう別行動べつこうどうしていたのは、その存在そんざいをスペインがわかくすためだ。


 よるになるのをって、別働隊べつどうたいてき風上かざかみから接近せっきん大型おおがたせんによる『火船かせん戦術せんじゅつ』をおこなう。


 それがいままさに成就じょうじゅしようとしていた。


 ほのおかたまり海上かいじょう疾走しっそうしていく。密集みっしゅうしていた『無敵むてき艦隊かんたい』はよけられない!


 ドーバー海峡かいきょう沖合おきあいが、さらにあかるくなった。


 イングランドのふねからスペインのふねへと、おおきなほのおおそいかかっていく。


野郎やろうども、出番でばんだぞ! 微速びそく前進ぜんしん!」


 ドレーク提督ていとく味方みかた戦闘せんとう開始かいしげる。


 いまならてき非常ひじょうやすい。陣形じんけい外周がいしゅうにいたスペインせん、その一部いちぶ派手はでえているのだ。


各自かくじ砲撃ほうげき用意ようい! それぞれのタイミングでかたはじめ!」


 イングランドの水兵すいへいたちはおもす。


 出航しゅっこうまえにみんなで変則へんそくてきな『九柱戯スキトルス』をした。あれとおなじだ。


 目標もくひょうねらいをつけて、


発射はっしゃ!」


発射はっしゃ!」


発射はっしゃ!」


発射はっしゃ!」


発射はっしゃ!」


 イングランドがわ砲弾ほうだんが、『無敵むてき艦隊かんたい』に次々(つぎつぎ)命中めいちゅうしていく。


 攻撃こうげきはさらに、第二波だいには第三波だいさんぱつづいた。


 この猛攻もうこう直後ちょくごだ。『無敵むてき艦隊かんたい』のいっせきおおきくかたむき、海中かいちゅうへとまれていく。


 もはや、スペイン艦隊かんたい無敵むてきではない。


 イングランドの水兵すいへいたちは歓声かんせいげた。


 てばたる。面白おもしろいようにたる。


 さらにせきめ、さんせきめと、スペインの戦艦せんかん海底かいてい置物おきものへとえていく。


 たたかいの勝敗しょうはいは、この時点じてんけっしていた。


 一五八八年、『アルマダの海戦かいせん』である。


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