表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドミノ・クラッシュ・ボウリング  作者:
【序章】 ボウリングには歴史がある

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/7

英仏百年戦争

 一三三七年、英国イングランド仏国フランスとのあいだで、おおきなたたかいが勃発ぼっぱつした。


 のちに「英仏えいふつ百年ひゃくねん戦争せんそう」とばれるたたかいである。


 英国イングランドは「クレシーのたたかい(一三四六年)」、「ポワティエのたたかい(一三五六年)」と勝利しょうり。フランスにおける支配しはい地域ちいき拡大かくだいさせていった。


 しかし、それからじゅうねんち、エドワード三世さんせいかんがえる。


 あのふたつのたたかい(「クレシーのたたかい」と「ポワティエのたたかい」)のあいだに、ヨーロッパじゅうで「黒死病ペスト」が大流行だいりゅうこうしたのだ。猛威もういるうやまいによって、フランスがわ戦力せんりょく低下ていかしたとはいえ、「黒死病ペスト」による人口じんこう減少げんしょう影響えいきょうは、英国イングランドでもつぎ世代せだいおよんでいる。


兵士へいしかずやすことが、むずかしくなってきているな)


 つまり、これからのたたかいは、「すくない戦力せんりょくで、いかに結果けっかすか」だ。従来じゅうらいたたかかたを、すこしずつでもえていかなければならない。


 では、たたかかたえるといっても、具体的ぐたいてきにはどうするのか?


 そのこたえを、すでにエドワード三世さんせいつけていた。


かく部隊ぶたい指揮官しきかんたちが、これまで以上いじょう有能ゆうのうであればいい)


 おな兵士へいしすうでも、指揮官しきかん有能ゆうのうかどうかで、活躍かつやく度合どあいは劇的げきてきわる。すくない兵士へいし有効ゆうこう使つかえる、そんな指揮官しきかんやせばいい。


 さて、現状げんじょうはどうか。


 沈黙ちんもくのあとで、エドワード三世さんせいみとめる。過去かこ自分じぶん判断はんだんあやまった。「黒死病ペスト」の大流行だいりゅうこう沈静ちんせいしたときに、あんな「布告おふれ」をすんじゃなかった。


 いま指揮官しきかんたちは堕落だらくしている。


あやまりはたださなければならない)


 一三六六年、おう家臣かしんたちをあつめて、つぎ言葉ことばげた。


禁止令きんしれいそうかとかんがえている」


 家臣かしんたちはすこしざわついたものの、おうつぎ言葉ことばった。いったい、なん禁止令きんしれいなのか。さけか、賭博とばくか、それとも・・・・・・。


 おうつづける。


確認かくにんしたいことがあるので、正直しょうじき挙手きょしゅしてくれ」


 といっても、おうまえだ。みな正直者しょうじきものとはかぎらない。


 だから、エドワード三世さんせい先手せんてつ。


「この挙手きょしゅについては、書記官しょきかん記録きろくさせるから、そのつもりで」


 いつわりの挙手きょしゅをしていたと、あとでわかれば、つみう。


「だが、ここで正直しょうじき挙手きょしゅしたものたちにたいしては、大目おおめることを約束やくそくしよう。この玉座ぎょくざちかってだ」


 そうまえふりをしてから、エドワード三世さんせいう。


今週こんしゅう弓術きゅうじゅつ稽古けいこをしたもの挙手きょしゅ!」


 ひゃくにん以上いじょう家臣かしんがいるなか数人すうにんがった。ほかものたちは、おうから視線しせんをそらしている。


「ではつぎだ。今週こんしゅう、『九柱戯スキトルス』をしたもの!」


 みじか沈黙ちんもくがあって、ばらばらとがる。そのかずはすぐにひゃくにんえた。


 エドワード三世さんせいちいさくためいきをついたが、強引ごういんみをつくると、


正直しょうじきものたちがおおくて安心あんしんした。さきげたように、弓術きゅうじゅつ稽古けいこをさぼっていたことは不問ふもんにする」


 家臣かしんたちのあいだから、安堵あんどいきがもれた。


 そもそも、弓術きゅうじゅつなどの「たたかいにかんする稽古けいこ」のわりに、『九柱戯スキトルス』を推奨すいしょうしたのは、エドワード三世さんせいである。


 すべては「黒死病ペスト」の大流行だいりゅうこう原因げんいんだ。


 あの最悪さいあくやまいをどうにかびることはできたが、筋力きんりょくおとろえがいちじるしい。そんな家臣かしんたちがすくなくなかった。


 そこで気楽きらく無理むりなく、まずは筋力きんりょく回復かいふくをとおもって、あの「布告おふれ」をしたのだ。


 ――『九柱戯スキトルス』を推奨すいしょうする。「たたかいにかんする稽古けいこ」のわりに、『九柱戯スキトルス』をすることを許可きょかする。


 さらに、王宮おうきゅうにわに『九柱戯スキトルス専用せんよう区域エリアもうけた。


 その効果こうか覿面てきめんだった。


 芝生しばふうえでのびのびと、たまころがしてピンをたおたのしさ。それ目当めあてに、大勢おおぜいものたちがあつまってくる。


 しかし、そのせいで武芸ぶげい稽古けいこがおろそかになっていることに、エドワード三世さんせいづいたのだ。


 家臣かしんたちには、へいひきいてたたかってもらわなければならない。へいたちの手本てほんとなるよう、ゆみなどの武芸ぶげいけていることがこのましい。実際じっさい仏国フランス大勝利だいしょうりしたふたつの会戦たたかい――「クレシーのたたかい」と「ポワティエのたたかい」――において、英国イングランド主力しゅりょくとなったのは「長弓ロングボウマン」たちだった。


 武芸ぶげいけた将軍しょうぐんと、『九柱戯スキトルス』にけた将軍しょうぐん


(そのどちらを、戦場せんじょう兵士へいしたちが支持しじするだろうか)


 こたえはるよりもあきらかだ。


「しばらくのあいだ、『九柱戯スキトルス』を禁止きんしする」


 エドワード三世さんせい宣言せんげんした。


 家臣かしんたちがざわついたが、


禁止令これ反対はんたいするもの名乗なのてくれ。その不安ふあんいますぐしてやる。死刑しけいだ」


 このしずかになった。


 ものわかりのいい家臣かしんたちに、エドワード三世さんせい満足まんぞくする。


 ところが、これ以降いこう家臣かしんたちはかげでこっそりと、『九柱戯スキトルス』をたのしんでいた。


 なお、このさんねんには、仏国フランスでも禁止令きんしれいる。『九柱戯スキトルス』などの娯楽ごらく禁止きんしし、わりにゆみ稽古けいこ奨励しょうれいした。


 しかし、こちらも英国イングランド同様どうよう禁止令きんしれい効果こうかはあまりなかった。


 このころからすでに、のちに「ボウリング」とばれる娯楽ごらくは、大人気だいにんきだったのである。


 そして、時代じだいくだり、エドワード三世さんせい禁止令きんしれい撤廃てっぱいされたのは、一五三〇年のことだった。


 なお、とっくのむかしに、「英仏えいふつ百年ひゃくねん戦争せんそう」は終結しゅうけつしている(一四五三年)。


 一五三〇年、禁止令きんしれい撤廃てっぱいしたのは、英国イングランド国王こくおうヘンリー八世はっせいだ。これまでの鬱憤うっぷんらすかのごとく、おうみずから『九柱戯スキトルス』に熱中エキサイトした。


 そこからさらに英国イングランド王位おういは、エドワード六世ろくせい、メアリ一世いっせいつづく。


 そのあとにおとずれたのが、エリザベス一世いっせい時代じだいだ。


 このとき英国イングランドおおきな危機きき直面ちょくめんしていた。


 強国きょうこくスペインのだい艦隊かんたい英国えいこく本土ほんどめてくる、そんな情報じょうほうをつかんだのだ。


 相手あいて当時とうじ世界せかい最強さいきょうの『無敵むてき艦隊かんたい』である。


 エリザベス一世いっせいは、その迎撃げいげきめいじた。


 そう司令官しれいかんは、チャールズ・ハワードきょう


 ふく司令官しれいかんには、フランシス・ドレーク提督ていとくだ。


 普通ふつうたたかったのでは、相手あいて世界せかい最強さいきょうの『無敵むてき艦隊かんたい』。英国こちらけるにちがいない。


 そこで先手せんてつことにした。


 一五八七年、スペインがわ準備じゅんびととのまえに、ドレーク提督ていとく相手あいてみなと次々(つぎつぎ)襲撃しゅうげきした。奇襲きしゅうによって、てき戦力せんりょくいでいく。


 しかし、それでも海軍かいぐんりょくは、スペインが圧倒的あっとうてきうえだ。


 一五八八年、ついに『無敵むてき艦隊かんたい』が出航しゅっこうした。そのかずは一三〇(せき)である。


 それをイングランドぐんは、本国ほんごく近海きんかいむかつことにした。決戦けっせんはおそらく、ドーバー海峡かいきょう沖合おきあい


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ