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百鬼鵺紅  作者: 本堂 咲京
9/10

羅城門

羅生門をくぐり、現世に帰ってきた零。

羅城門は消え去った。

明日の夜は祭りだ。

〈羅城門〉

門をくぐる。

目の前が真っ暗になった。

キーン。

耳鳴りが激しい。

いやこれは本当に耳鳴りなのか?

体全体にとてつもないほどの音波が俺を圧縮しているような。

ギギギギギギギ....

急に光が刺す。

羅生門、いや羅城門が開く。

羅生門をくぐる前と景色が同じだ。

どうやらこっちでは時間は進んでいないらしい。

サァァァァ.....

という音と共に羅城門がちりとなって消えていく。

目の前に家がある。

相変わらず町の人は祭りの準備をしている。

「おかえり!」

と町の人が挨拶をする。

「ただいま」

と俺も挨拶する。

ふと気がつくと俺は寺の前に来ていた。

よく見ると提灯に『東寺』と書かれていた。

東寺には、『夢』と書かれた旗がかけられていた。

そして釣られる様に西寺に行くと東寺と同じ様に『幻』と書かれた旗がかけられていた。

そういえば九条家の先祖が書いた書物には

『西は幻を司る仏様、東は夢を司る仏様が祀られている。

ただ、二寺とも管理するのは無礼なので西を八条家が、東を九条家が管理している。』

と書かれていた。

ならば俺が見ていたのは夢や幻なのではないかと思ってしまう。

だが、俺はあの悲劇を決して忘れない。

家に帰ろう。

明日の夜は祭りだ。

楽しもう。

太鼓の音。

シャンシャンとなる弦楽器の音。

この地域では毎年祭りをやっている。

俺はその音を嫌なほど聴いた。

〈羅城門-終-〉

羅城門。

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