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友だちなんて

 小学五年の頃だったろうか。僕のことを好いた女子がいたらしい。しかし、そんなことは僕にとってどうでもよかった。僕はクラスのガキ大将にいじめられていたから、そんなことを考える余裕はなかったのだ。大体同じクラスにいて僕がいじめられていることを知らないのか、と苛立ちすら覚えた。来る日も来る日もいじめに頭を悩ませていて、ついに命を絶つかどうか迷い、やはりさっさと卒業するまで待った方がいいと判断した。

 僕にはクラスにただ一人の友人がいたからだった。彼も僕と同じようにガキ大将とのそりが合わず、仲が良くなかった。そんなわけで僕と彼はすぐに仲良くなった。

 すぐにガキ大将は友人をグループに吸収し、僕を孤立させた。挙句の果てに、友人はガキ大将がいいやつだと僕に言った。それが彼自身の判断なのか、ガキ大将の命令なのか分からなかった。どちらにしても変わらなかった。彼がガキ大将に選ばれた理由は遊び場として家を提供できるからだ。僕は彼に人に何を言われようが断れるようになることを再三勧めたが、彼は僕に対しては嫌だと言い、ガキ大将にはどうすることもできないという最悪の状況をつくってしまった。彼からすれば、ガキ大将と僕の板ばさみで、頭痛の種であったに違いない。僕の無理強いと彼の気の弱さとガキ大将の恐怖が、彼にガキ大将を選ばせたのだろう。

 僕は彼が僕を選ぶと思い疑っていなかった。しかし後から考えてみればよく分かる。彼は僕とガキ大将のどちらでもよかった。ガキ大将は僕をいじめる手段として彼を使っただけ。僕は信じていたが、彼もガキ大将も人を信じて友人をやっていたわけじゃない。

 それ以後、僕は人に飢えることがなくなった。

 あの時、僕のことを好いていたらしい女子と仲良くなっていたら、何か違ったかもしれない。

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