6.悪魔令嬢は、まとめる
読んでくださった方ありがとうございます
「アザミーナ様は、数年前発生した大量誘拐事件の被害者の一人だった」
「それなら、俺も知っている。貴族の子供が狙われ、どんなに隠そうとさらわれたってやつだろ。それを恐れて、自分の子を平民だと偽って育てる貴族もいたそうだぞ」
知らなかった、ネモフィラちゃんも、もしかしてその一人だろうか
私も、それに巻き込まれたのだろうか
「そう、何の目的かわからず、大量の子供が殺された。俺が一瞬目を離したすきに、アザミーナ様は、居なくなった。何とか探し出したときには、部屋の中で全員が死んでいた。殺され方は、喉が裂かれ、腹が割られ、頭をぐちゃぐちゃにされていた。ひどいのは、目をくりぬかれていた」
そんなこと記憶にない
記憶にあれば、心が無事ではない
私が、覚えるのは赤い部屋と生臭い部屋だけだ
守る反応として、忘れたのだろう
もし、これが本当の話なら
「これを言ったら、不敬になるかもしれない。けれど、被害者の子供を調べるうちに、殺された子供はアドニス王子派以外の家の子供だった」
「それは、言っていいことと悪いことがあるだろう」
「構わない。続けろ。それがお前の見解だろう」
部屋の空気が重苦しい
アドニス様も、グロニオサ先生も、重い言葉を発する
イチイは、言外にアドニス様が、彼にかかわるものが犯人だといっている
危ない橋を渡らないでほしい
「俺は、おかしいと思った。主人の家は、中立派だ。それならば、誘拐されるのはおかしい。だから、調べてみたんだ」
「調べてみた」
「ああ、そうしたら、クロッカス家の女児が殺されるものが過去にも起きていた」
私以外の、女の子が殺されてしまう
もしかして、クロッカス家の大虐殺に関係あるのだろうか
「クロッカス家の大虐殺。女児が、大虐殺を起こすというよう迷信を信じた奴らの仕業ではないかと思っている」
「なるほど、貴族子息子女誘拐事件と、クロッカス家の大虐殺の迷信が混ざったのか」
それで、私が巻き込まれてしまった
今回は、ガジュマル伯爵夫人の仕業だから、違うだろう
「今回のは、別の原因だったか。さて、クローバ、この話を聞いてどう思った」
アドニス様が、唐突にクローバ様へと話を振る
さっきから、ずっと口を開かないままだ
「納得した」
「納得?」
「アザミーナは、俺と昔会ったことを忘れていた。そのあたりの記憶がごっそり抜け落ちてしまったのだろう。もし、このことを話して、思い出させてしまったときが心配だ」
ごめんなさい、クローバ、聞いている
少しずつ思い出しているが、今のところ狂いそうなことは無い
そろそろ目を覚ましたいところだ
まだ、直っていないのだろうか
「失礼します」
ネモフィラちゃんの声だ
重かった空気か少し軽くなった
彼女なら、何かやってくれそうな気がする
私は、期待を込めて大きく息を吸った
明日は午前8時に次話投稿します




