間話.いい天気
読んでくださった方ありがとうございます
今日はいい天気
どこまでも青い空が高く広がっている
私は、いい天気が嫌いです
「今日は、いい天気ね。ネモフィラさんどうしたの?」
「何でもないです」
何でもないことは無い
この天気が私は大嫌い
一緒にに散歩しているアザミーナ様にこう言ったらどんな顔をするでしょう
「でも、少し明るすぎるわね」
「私は嫌いです」
気になりすぎて、ついポロリと言ってしまった
アザミーナ様にも、すぐに口に出ることを注意されているのに
「意外ね、貴女のことだから好きかと思ったのに」
「そうでしょうか」
「そうね」
そう言うとアザミーナ様は傘を取り出した
それを私の頭上にさした
「あの」
「嫌いなものは、見たくもないでしょう」
アザミーナ様は時々おかしなことをする
晴れの日に傘をさすことなんて考えもしなかった
日傘をするなんて、上級の貴族がすること
「どうして嫌いなのか聞いてもらえますか?」
「いいわよ」
「あの男の、私の父を名乗る人の使いが来たのはこんな晴れた日だったからです。その日は私の人生をこんなことにした、元凶の人が」
アザミーナ様は、驚くことも同情することもなく傘をさしてくれていた
「母を、病気だった母を、いえ今も病気の母を人質にとったのです。あの時、悔しくて苦しくて。私がそんな感情を抱くのが苦しくて」
「ネモフィラさん」
「その日は、こんなすがすがしい晴れだったのです」
吐き出した毒は、自分を傷つけて、でもすっきりさせてくれた
ずっとため込んでいたのに
言い過ぎたかと思って、そっとアザミーナ様を見上げると、考え込んでいる様子
「わかったわ。私がお母様の病気を見てあげる」
「え、あの」
「それで、お母様を解放してから、反撃よ、復讐しましょう。悔しさをため込むのだなんて体に毒よ」
復讐
その言葉に、強く引かれた
「駄目ですよ。アザミーナ様、誰かに仕返ししたって悲しみしか生みません」
「でも、復讐すればあなたは救われるわ」
「それでは、私に復讐しようとする人が出てくるでしょう。悲しみの連鎖を止めるには誰かが、憎しみを抱え込める人がいるんです」
「それが、貴女だっていうの?」
アザミーナ様は、怒った顔をした
無関心な子の人は、関心を持つとどこまでも救いたがる
「そうです。私で、私だけで、全部終わりにします」
「そんなの、認めないわ」
「でも、母のことを救ってもらえないでしょうか」
アザミーナ様は、もともとそのつもりだといった
本当に優しい人
「私、アザミーナ様と友達になれてよかったです」
「さては、泣かせに来てるわね。ネモフィラさん」
明日は午前8時に次話投稿します
次回次章に入ろうと思います
プロット表を見たらすごいことになってました
よろしければ、お付き合いお願いします




