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2.悪魔令嬢は、人質を取られる

読んでくださった方ありがとうございます

見えたのはきれいな花ではなく、薄汚れた盗賊であった

今まで出てきた、暗殺者ではないようだ


気がづけば馬車を止められた

私は、よく聞く目薬を取り出しておく


これは、いったいどういうことだろう


ただの、事故だろうか


「おい、お前おりろ」

「私を、誰だと思っているのかしら。いえ、知らないからその態度なのね」


ネモフィラちゃんが見えないように位置を調節しつつ、男と会話する


「知るか、金持ちにしか見えない」

「そうよね。お金が欲しいのかしら。なら恵んでやらなくもないわよ」


こういう時、悪魔令嬢(アザミーナ)のことを思い出して会話するとあら不思議、偉そうに聞こえる

とりあえず、怒らせておけばネモフィラちゃんのほうに目がいかないだろう


「ふん、偉そうにな。立場を分かってないのはそっちじゃないか」


そう言いつつ剣をちらつかせる

大丈夫、こっちには防弾チョッキより丈夫な防御の魔法陣があるから


「どういうことかしら?」

「ああん?だから、ぼんくらはよ。お前は、一人でこっちは六人もいるんだ。勝てるわけないだろう。さっさと金目の物をよこせ」

「さっきから、恵んでやると言ってるでしょう」


私は試しに、ネックレスを投げてみる

本心は、見逃すわけないよね

と思ってたりするが


「ほほう、これはだいぶいいな」


ネックレスに注目が行くうちに、薬を合成しておく

魔法薬は、高級品だ


「あとは、これくらいかしら」

「すげぇな」

「まてよ、こいついま自分で合成してたぞ」


うっかりしていた

確かに六人もいたら見ていてもおかしくはない


「おい、本当か?」

「ああ、俺は見た」


男は、今まで開けなかった馬車のドアを壊した

いや、いきなり壊すなよ


「女だ、もう一人いるぞ」

「人質にしろ!」

「いやぁ!」


ネモフィラちゃんの髪が掴まれて馬車の外へと引きずり出される

私がかばう暇もなかった


「その子を放しなさい」

「いいけどよぉ。代わりにこの薬百個作れよ」


百個は無理だ

材料がポシェットに入っている分では足りない

ネモフィラちゃんが、捕まってしまったからにはこの目薬も投げるわけにはいかない


私が、防御魔法を使ってタックルしても、勝てる保証はない


完全に、私のミスだ


「百個は無理よ」

「何だと、こいつが殺されてもいいのか」

「いいわけない!でも、このポシェットに入っている分じゃ、無理」


説得しようと、ポシェットを掲げる


「いや、嘘言うな魔法ならできるはずだ」


できないから、言ってるのに


「早くしろ」

「痛いっ」


男が興奮して、ネモフィラちゃんの髪の毛を引っ張る


「分かった。解ったから、その子に危害を加えないで」

「アザミーナ様、逃げてください! 」

「逃げないわよ」


やけくそ気味に、魔法陣の刺しゅうハンカチを広げて合成する


「これで、材料は終わりよ」


合成し終わって地面から立ち上がる


「じゃあ、こいつは用済みだな」

「何を!」


男は、ネモフィラちゃんに向けて刃を振り上げて


「ぎゃああ」


悲鳴が聞こえた

ネモフィラちゃんに向けられていた刃は彼女を貫くことは無かった

代わりに、男の腕が剣で貫かれている


「そいつに、汚い手で触れるな」

「アドニス! どうしてここに」


見覚えのある顔は、アドニス様であった

アドニス様は、素早く男をネモフィラちゃんから引きはがし、彼女を抱きしめ、男を踏んずける


「ほかのやつらは、拘束した。諦めるんだな」

明日は午前8時に次話投稿します

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