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2.悪魔令嬢は令嬢集団に会う

読んでくださった方ありがとうございます

クローバ様のことが何となく気になった私は白熱した二人を置いて教室を出ようとした


「おい、どこ行くんだ」

「アドニス様、お手洗いですよ。聞くなんて無粋です」


こそこそ何か言っているが無視して廊下に出る

何人かの令嬢がきょろきょろとあたりを見渡している

雰囲気が完全に獲物を探す獣だから関わり合いにならないほうがいいだろう


「ちょっと。そこの貴女」

「何か用かしら」


駄目だ、獲物を探す獣からは逃れられない

私は覚悟を決めて回れ右をした

きらびやかなお嬢様方が腕を組んで扇子を持ち立っている


「貴女、見ない顔だわね。もしかして平民出身のネモフィラかしら?」

「平民臭いわね。まるでゴミだめのようですわ」

「まったく、平民がここを堂々と歩くなんてはしたない」


完全にネモフィラちゃんと私を間違えている

付け加えると、ネモフィラちゃんは身分的には平民じゃあない


構っている暇はないと私は歩き出す

礼儀知らずに構っている暇はない


「ちょっと。私は伯爵令嬢よ、平民出身の貴女がそんな態度をとっていい相手ではないわ」


それでも無視し続けていると後ろから突き飛ばされた

床に倒れる前に誰かが受け止めてくれた


顔を上げるとグロニオサ先生が立っていた


「お嬢さん、何をしているんだい?」

「グロニオサ先生、平民が私のことを無視したので」


グロニオサ先生は平民と首を傾げたがネモフィラちゃんのことを言ってるらしいですと小声で言うと納得したようだ


「君たちの真珠のような手を煩わせることは無い。俺の方から言っておくから任せてくれるかい」


にこりと微笑めば令嬢たちは頬を染めた


「そうですね、アドニス様をお探ししなくては」


なるほどあの王子、この令嬢たちから逃げてきたのか

去っていく令嬢たちを見送ってため息をつく


「クロッカス侯爵令嬢と名乗ればよかったじゃないか。彼女をかばったつもりかい?」

「そんなつもりはありませんわ。ただの気まぐれですのよ」


あの人たちのせいで時間がつぶれてしまったが、クローバ様を探していたのだ

全くひどい目にあった


「それにしても、今の令嬢が刃物を持っていた場合は魔法陣で防がなくてはならなかったんだよ」

「ああ、確かに。不意打ちでも無意識に出るくらい練習しとかなくてはならないわね」


グロニオサ先生はその通りというと去っていった

新入生のこともあって忙しいのだろう


私は再び歩き出した

それにしても私の家は親せきでのパーティーに出ることがほとんどだ

それでもひそひそとうわさ話をされるのだから、困ったものだ


クローバ様の誕生パーティーには出席させてもらえたから、私が行きたいと言い出さなかっただけで連れていく気はあったのかもしれない


そんなことを考えていると廊下の窓から外にクローバ様を見つけた

そちらのほうに行こうとする足はぴたりと床に縫い合わされる


「ナーシサス……まさか、クローバ様が浮気?」


ナーシサスとクローバ様が大きな木の下で抱きしめあっているではないか

正確には、ナーシサスが抱き着いているのだがクローバ様が嫌がる様子はない


ナーシサスがクローバ様に笑顔で何か言うと、彼も微笑んだ


谷底に突き落とされたようなショックで私が動けなくなっていると、一瞬ナーシサスと目があった気がした

勝ち誇ったような彼女の様子に耐えきれなくなり、私はそこから逃げ出した


あれは、愛してるといった言葉は嘘だったのだろうか





明日は午前8時に次話投稿します

朝晩の気温差が激しい季節です、体調に気を付けてください

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