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回想
勿論そんな事を当時考えていたわけもないけど
幸運だったんだな、と思う。
線路伝いに少し、駅の方へ行くと
貨物列車の入れ替えが見えた。
黒い貨車や、臙脂の貨車が
機関車に連れられて、くっついたり離れたり。
もう少し前は、機関車から離れた貨車が
惰性で走るのに、人が飛び乗って
足でブレーキを掛けて連結する、なんて
危ない事もしていた。
勿論、ヘタにやれば激突して振り落とされたり
貨車に轢かれる事もあるので
後に禁止された。
僕は、機関車の煙の匂いで
青森の風景を思い出していた。




