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白銀のテーマ

その頃の中学校は、市外へ行くのは父兄同伴(母がいないのは時代である)。

旅行も勿論ダメだが、親戚の家に行くのは例外的に許された。

そうでないときは、学校の先生の許可が必要、と言う時代だった。


本当の話である。


学校が暇だった、と言うよりは

官僚が威張ってなかったのだろう、何でも現場の教師を

束縛しようとせず

民主的に、地方は分権でやっていた感じで、それで

上手く行っていたのは戦後だから、と言うのもある。


お互い様、お蔭様。

そういう気持をみんなが持っている日本があった頃で


外国が、経済で日本を侵略する前の事だから、日本の独立が

護られていたのだけれども。




まあ、それはいいとして(笑)






僕は、夏休みになると時々、青森のおじいちゃんの家に

避暑に行っていた。


小学校の頃から、である。


おじいちゃんは国鉄職員だったのだが、僕が生まれた時は

既に天国に行っていて

おじさんが後を継いだ。


おじいちゃんは駅員から始めて、後に車掌になり、最後は駅長になった人で

おじさんも同じ道を進んだ。


僕も、子供の頃は後継ぎに、と

おじさんに誘われて、時々、おじさんの乗務について


上野ー青森を夜行列車で往復した。



十和田、八甲田、ゆうづる、はくつる。

いろいろ思い出があるけれど、印象が強いのは


蒸気機関車である。


大岡山でも、その頃は駅に行くと

石炭の燃える匂いがして、香ばしかった。


構内の入れ替えは、蒸気機関車だったし

ローカル貨物も、そうだったから

見ていて、なんとも有機的で楽しかったが


東北は、まだ幹線の機関車が蒸気、だった。


それがまず驚きだった。青森の駅でもそうだったが


東京から少し離れると、そういう感じ。



異世界に行ったよう旅行が楽しみで、夏が来るのが待ち遠しかった。



最初に行ったのは小学校2年だったか、おじさんが乗務の間に


大岡山にやってきた。



寝台の乗務だと、間1日空く時がある。


青森21:05->上野07:00

青森11:10<-上野23:23


なんてダイヤだと、途中の休みが足らなくなる(国鉄は6時間乗務が基準)

なので、間に8時間無いといけない。


そういう時に、間一日東京で暇が出来るわけ。



それで、近郊の大岡山に来た(近いと言っても130kmくらいで

当時の国鉄普通運賃で500円くらいだった。

今のJRだと2000円くらいか)。



おじさんに連れられて、親元を離れるのは楽しかった。


なんといっても夜行列車なんて、乗ったことはない。

上野まで、急行列車にタダで乗れて(国鉄は、親戚はタダだった)。

上野で降りると、線路伝いに乗務員宿泊所に歩いた。


今も建物はあるが、当時まだ珍しかった鉄筋コンクリートの冷暖房つき。

ご飯は無料。


さて、昼間眠らずに、みんな花札をしていたりした(笑)


夕方ご飯を食堂で食べて。


さばの味噌煮とか、ハンバーグとか選べて

おいしかった。


高いところに釣られているテレビから、森永のババロアのCMソングが

流れていたのをよく覚えている。



♪牛乳一本用意して

ぐるぐるぐるぐるかき混ぜて

カップに入れて冷やしますー♪


面白いことだけど、CMソングでもみんな自作だったのは

そういう時代だから。


儲けよう、と言うよりも

作るのを楽しんでた頃である。



それで、一旦京浜東北線で尾久に行き、客車の掃除とか

シーツの置き換え、なんかを

乗客案内係りだったおじさんはしていたので

手伝った。


後に専務になると、上野から乗るだけになったが。

白いスーツがカッコよく、僕は

バリー・ホワイトの「My sweet summmer suit」を思い出した。


そんな風に、僕の感覚は音楽とつながっている。







その時も、そういえば青森の家にも

楽器がいろいろ物置にあった事を思い出した。


「いくつか、貸してもらえるかな」


青森の家の方は父方だが、弘前にも親戚があって

そこの家からはポピュラーの歌手が出たりしていた。



なんとなく、そういう時代だったので

誰でも、そんなものだろうと僕は思っていた。




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