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自由にやろうよ

僕は、思った。中山は、自由にやりたかったんじゃないか?




それで「中山さ、格好悪くたっていいと思う。

音楽聞いてさ、好きなように体を動かすくらいで。ダンサーの映像見て、似せるのもいいけど

それじゃクラシックの楽譜見て真似るのと

似てない?

中山はさ、自由自在にやりたいから

この曲を選んだんでしょ?」



中山は、少し考え「そうだ。いつのまにか

普段の自分の考えで動いてた。

人なんてどうでもいいんだよ。楽しめば、だよね。」口調が砕けた。



みんな、拍手。




中山は、いやいや、と言って

坊主頭を撫でた。



「ありがとう、みんな、深町。」




中山は、ほんとは

優等生なんかになりたくないんだろう。


優等生になりたいタイプもいるけど

なんとなく、誇りたいだけ、みたいに

僕には見える。



理科だったり、国語だったり。

なんでもいいけど、ほんとにそれが好きだったら

人の評価なんて、鬱陶しいだけだ。



そう思ってた。



だから、吹奏楽コンクールなんて嫌いだったけど



自由に楽しんで、吹いて。

それが、この大岡山じゃ認められたから

音を楽しめた。



(後で聞いたのだけど、片岡先生の

おかげで、教育委員会も黙ったらしい。

いやはや、凄い人だけど。

なんたって、天皇陛下だもんね。

僕らには、面白いおじさんだけど)




それは、嬉しい。



合奏の難しさとか、綺麗な音を出すのに

練習が居るってのも解ったし


たかたか先生の気持ちも解った。




(でも、なんで前のユーホが辞めたのかは

解らないけど。そんなに辛かったのかな?)





「ね、中山、前の

ユーホって女の子だったんだよね」と、僕は

聞いてみた。



中山は「うん、1年のね。元々ユーホ希望じゃなかったから」と。



「それで辞めちゃったの?」と、僕は聞いていいのかな、と思ったが。





中山はにっこりして「ああ。でも、こないだのコンクールの話を聞いて、考え直してくれるかもしれないね」





僕は、不思議に思って「辞める前に言えば良かったじゃない、嫌だって」と。



中山は笑って「そりゃー、1年の大人しい女の子には無理だよ、深町の真似は」と



ははは、と笑いながら。



そうかなぁ、と僕は思い



「言いたい事言えないんじゃ、人形じゃない」


と、言うと、朋ちゃんは

「しゅーねんは自由だもの。いいなぁ、ってみんな言ってる」




そんな事言われてるとは(笑)



しんちゃんも「内申書とかあるから、先生に

あんなにはっきり言えないよ。それに

曲をあんなに変える、なんて

普通は思いついてもやらないよ。叱られたくないもの」




ふーん、そんなものかと僕は思う。



しんちゃんは国鉄職員の息子だからかな。

割と、硬い考え方。




僕は「あれは、中山が作ったんだよ」と言うと


中山は「いやいや、あれは深町の名作」




たけちゃんは「謙譲なの?責任転嫁?」と言って笑ったので


僕らは、笑った。



その両方だよ(笑)。





「でさ、入部希望者増えたの?」 と、僕が聞くと



中山は「うん、でもなんか、吹奏楽って

不良って思う親も増えたらしい、ま、

元々そういう親は、どこの部でも言うんだけどね。野球部だと柄悪いとか、封建だとか」





そんな事になってるとは(笑)




「僕らのせいかな」


と、言うと


中山は「そんな事ないけど。学校も、教育委員会も認めた訳だし。独創的だって」


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