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燃えよ禿山

「しかし、誰だ?発案者は。まあ、概ね判るが。」


と、学年主任の杉山周平先生は、僕らを

職員会議に呼び出して言った。


まだ、僕らが残っていたので運悪く(笑)見つかったのだった。



「僕です。」と、中山は

責任を負う決意でそう言った。


僕も「いいえ。中山くんは....。」と、言いかけた時



片山先生は「いや、堅物の中山にあんな事は思いつくまい。

深町だろう、あんな変な事を思いつくのは」と。笑顔で。



「そうね。自由な深町くんらしい。でも、いい事よ、とっても。」と

1年の社会担当、杉山美子先生(周平先生の娘さん)。


割と男子に人気がある。優しい先生。



初美ちゃんは「アイデアは確かに深町君ですけど、バンド全員で

演奏する事にしたのです。」と、潔く。


内申書、なんて気にもしていない。


そういうところ、中山に似てるな。




3年の音楽担当、渡辺先生(50歳台、髪の毛があんまりないので

美術の大橋先生と並んだとき「ライト兄弟」なんて言ったのは1年の国語担当

半田先生(20歳代、独身、モテない、前述)。



「ああ、でも音楽として面白かった。」


と、芸術的に見てくれたので、僕は嬉しかった。



「まあ、処分にはせんから安心しろ。大した事じゃない。

発想を知りたかったんだ。」と、片岡先生。


説明しろ、と言われたので僕は


「元々は、別の曲に似てるな、と思ってたんです」


と、自作の竹サックスをポケットから出して、吹いた。



F-E-D-E-F-G#-A-C-CCCC-CCCC


(G#のところが不吉な感じ)


というブラームスの有名な「禿山の一夜」に


燃えよドラゴンのテーマの


D-E-A-G#- (ここんとこの半音がオリエンタルな感じ)



を、つないで吹いた。そのまんま燃えよドラゴンの

あの、悲しくも美しいストリングスのテーマを吹いて。

https://youtu.be/PP_I4TrFKfg



たかたか先生は、笑って「はは、なるほど。上手く合うな。」



僕はにっこり笑って、サックスを下ろし「はい。ラロ・シフリンは好きみたいです。

新世界のストリングスが、ここの燃えよドラゴンに応用できるし。



たかたか先生は「”ジョーズ”のテーマもブラームスだな」と、にっこり。


はい、と僕は笑う。


音楽好きに判る、音楽のコトバ。




「わかった、わかった。深町は音楽学校へ行け。」と

片岡先生は手を振った。



それで「この曲のタイトルは?」



僕は「燃えよ禿山の一夜...あ、すみません。」と

渡辺先生の光るおでこを見て。



渡辺先生は苦笑いして「変に気を使わんでいい。」



一同、大笑い。




また次の日。





それで、僕らは文化祭でも演奏する事になり.....。



オリジナルをやりたい、とみんなの望み。



僕は「鬼警部アイアン・サイド、かっこいいよね。」と

その全奏のところを竹サックスで吹いた。



「いいねぇ。ブラスバンド向き。」と、しんちゃん。


「ウィークエンダー。」と、ゆうこ。(バスケ部だが)。


「えー、ゆーこ、あんなにオソクまで起きてるの?」と、朋ちゃん。


まあ、番組の内容が....(笑)。11PMよりはいいけど。



「ウィークエンダーなら、バリー・ホワイトだよ」と

僕は、番組テーマになっている曲を吹いた。



「でも、いきなりで吹けるね。」と、初美ちゃん。


僕は「ああ、だいたいこのヘン、って吹いて見ると

だいたい合うんだよね。いつも聞いてると。」



そんなものかな、と、中山。



譜面なんてないもの、ソウルは。




「これもいいよね。」と

僕は、続いて


「黒いジャガーのテーマ」を吹いた。


ベースのところ、フルートのところ。

エレキベースのところ。




中山はしばらく聞いていて「燃えよドラゴンの時も思ったけど、

エレクトリック・ピアノのところとか、ワウ・ワウ・ギターとか。

欲しいよね。」



そういえば思い出した。


最初、夏の日の恋'76を演奏するなら

エレキベースがあったほうがいい、なんて思ってたこと。

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