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大岡山中学吹奏楽部

F組のクラスメート、朋ちゃんと初美ちゃんは

なぜか吹奏楽部で、同じクラリネットパート。



というか、クラリネットが一番多い(笑)ので


フルートとか、トランペットとかは



上手な人しか出来ないから



練習も大変だし、先生も厳しい。



その他大勢、みたいな方が楽だし


なんて、思っていたのかもしれない。




放課後の教室、いつも僕は


ギターを持ってきて歌ってた。



「なにしてるの?」と



大抵、朋ちゃんがクラリネット持って



パート練習を抜けてくる(笑)。




朋ちゃんは、ボブの髪が


丸くなってて、ビートルズの

キノコカットが長くなったみたいな感じ。



ふわふわしてて、かわいい。




僕も、にこにこしてしまう。




「うん、ちょっと遊んでる」って(笑)





それで、朋ちゃんの好きな


バラードを歌ったりする。




クラリネットの練習は、いいのだろうか(笑)


なんて思っていると、初美ちゃんも


同じく、クラリネット持ってやってくる。




初美ちゃんは天然パーマののんびりさんで



クラリネットの演奏は、朋ちゃんよりは

上手みたい。




よくは知らないけど。






大岡山中学のブラスバンドは

のんびりしてるから


別に、大会で入賞しようとか

そんな気持ちを持っている生徒はほとんどいない(笑)




トランペットの外田も、ただ吹きたいだけ。


吹いてれば楽し、そんな感じ。


楽器ってそうなんだよね。




でも、先生はそうでもなくて(笑)



音楽の高橋孝先生は、熱血で燃えていた(笑)から




生徒お構いなしに、猛烈練習。



それなので、部員が減ってって




なーんと。




この放課後は、ブラスバンドの中山が


僕を見つけて



「お兄さん、チューバだったよね」




兄貴は、同じ大岡山中学でチューバを担当していた。




僕にも「入学したらユーホやれよ」と言った。


チューバは重いので、と言う理由。



さりとてトランペットとかは競争率高いので(笑)




楽器にありつけない(笑)だろうと言う


朋ちゃんたちみたいな理由。





でも、兄貴は名プレーヤーだったので



僕は、その名声に恥じないようにするのも

嫌だったから




ブラスバンドに入らなかった。





でも。

中山は「ユーホ、辞めちゃったんだ。」



高橋孝先生のしごきで(笑)。




楽器持ってグランド走らせたり(笑)



脚に載せて腹筋、とか。



それじゃ重い低音楽器は大変だろう。




「ユーホって前、女の子だっけ」僕が聞くと


中山は、眼鏡の奥で笑った。






「元々、フルート志望だったし」と。


フルートを好きな女の子は多い。




優雅な感じもするけれど、そうでもなくて

結構首とか腕が疲れるし


金管みたいにマウスピースがないから



人の使った楽器に口を付けるのが


平気な人向き。


意外とがさつなのだ(笑)。




それに、金管みたいに洗ったりできない。



不潔だなぁって僕は思ってた。




「それでさ、頼みたいんだ。」中山は


ぼんやりしてる僕に、そう言った。




「大会まででいいから。ユーホ抜きじゃ

変だし」




僕が、名手の弟だと思っての事らしい。




「できないよ」と、僕が言うと






「できるよ。ユーホ楽だし」




中学生のブラスバンドって、そんなに

難しい曲やらないから


実際、低音楽器って

下手な子の行き先、みたいなところ。



元々、勝ち負けじゃなくて

努力する為にあるんだから。



学校なんだもの。





それを、どういう訳だか


先生だけ、勝ちたい勝ちたいって

言ってるだけ(笑)。






そんなものだ。







朋ちゃんは「うん、おいでよ。一緒に吹けるし」




初美ちゃんも「うん。楽しいよ」





でも、なーんとなく僕は


高橋孝先生の事を兄貴から聞いていたから

気が重かった(笑)。






実際、兄貴も

しごきが嫌で閉口していたのだった。



なにせ、あの大きさのチューバを持って走れとか



無茶苦茶な話だと思う。





大きな楽器には、体力が必要だと言う


へんてこな理由(笑)。








まあでも、合奏は楽しいかな。






そば屋のたけちゃんは、フルートだったし。



男の子でフルートは珍しいけど


それだけ上手なのだろう。







「これ、譜面」と、中山は

さすが生徒会長で、事務的に有能だ。



譜面を見ると、そんなに♪が細かくないから



これならできるかな、なんて思ったりもした。




「でも、ユーホーひとりじゃ

全部ソロになっちゃうでしょ」と僕が言うと


中山は笑って「でも、チューバと似てるし、ほとんど。大丈夫だよ。」と、



緩いクラブだ(笑)。


まあ、そんなものだけど



先生だけが勝ちたい、って言うのは

野球なんかと一緒。



僕らは頑張るのは楽しいけど

勝ち負けはどうでもいい、と


思ってたりした。





中山は、よく通るバリトンで



「じゃ、楽器ね」と、半ばマイペース(笑)に

僕を手招き。


生徒会長だから、なんとなくそういうのに

慣れてるみたい。



僕は、ギターをケースにしまって



中山の後に続く。


朋ちゃんは、にこにこ。


瞳はきらきら。



ちょっと、フランスのお人形さんみたい。



それで男子に隠れファンが多いのだけれども

本人はのんびりしてて、スカートのチャックを開けたまま歩いていたり(笑)。



セーラーの首のところの三角の布(なんていうのか知らない)を

どこかに忘れて来て、そのまま気づかず




ゆーこに言われて、安全ピンで

慌てて止めてたり。




そういう子。




でも、美人なので


男子は、なんとなく近寄らなかった。






初美ちゃんも、クラリネットを持ったまま


「助かるなー、低音がしっかりだと」と


面白い事をいいながら、3階の東の端っこ

音楽室へ。


もう


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