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夢見た自由は遠すぎて  作者: 沢木キョウ
第一章 花梗高等学校
50/85

第四十六話 花梗高等学校

ちょっと短めです


前回は、第六感でした

今回は、メールです


 自分のスマホを確認すると、メールが一通、届いていた。


 どうやら、この学校のアプリ経由で送られたメールのようだ。

 オレは、深く思考することはなく、アプリを開き、メールの内容を確認した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 生徒会だより


―――――――――


 花梗(かこう)高等学校の生徒のみなさん! おはようございます!

 生徒会です。


 みなさんはこの一週間、

 「今日から一週間、毎日学食を利用しなければならない」

 という生徒会則を忠実に守ってきたことと思います!


 どうでした?

 新しい友達はつくれましたか?

 面白い出来事とかありましたか?

 我が校の学食の良さは伝わりましたか?


 ワクワクするなにかを見つけられたなら、生徒会としても嬉しい限りです!!


 みなさん、一週間、本当にお疲れさまでした!!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 送られてきたメールの内容は、学食に関する生徒会則の期間が終了したことについての知らせのようだ。

 周囲が騒がしくなってきたが、なにか考える必要のないメールだったと思いつつ、スクロールをして続きを読む。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 さて、この生徒会則の結果についてですが……

 なんと、一年一組、一年二組、一年三組は全員ルールを守っていました!

 生徒会の予想以上の結果です!!


 生徒のみなさんは、この三クラスに盛大な拍手をお願いします!

 パチパチパチパチパチーー!!


 ここまで書けば、わかると思いますが、なんとざんねーん……。

 一年四組は、一人だけルールを守れなかった生徒がいました……。

 

 生徒会則に背いた罰として、一年四組から退学者を一人出そうと思います!


 ……えっ? 退学はやりすぎ? そんなことならもっとマジメに生徒会則を守ってたって?

 いやいや、我々は入学式のときに伝えたはずです。

 「生徒会則は絶対遵守のため、違反が発覚した場合、強制的に退学処分とすることもあります」ってね。


 では、一体だれを退学とするかについてですが……

 ここでまたまた生徒会からのプレゼントでーす!!

 

 新たな生徒会則、

 「生徒会則が関わる事例において、クラス内からだれかを選ばなければならないとき、その最終決定権はクラス代表が持つものとする」

 を、プレゼントしまーす!


 今回の退学対象者は、決して生徒会則の違反者ではありません。

 あくまで、違反者のいる「クラス」が対象です。


 複雑に考えないでください!

 この生徒会則は要するに……

 一年四組のクラス代表は、自クラスから退学者を一人選べ!!

 ということです。


 帰りのホームルームまでに決めてくださいね。


 生徒会からのお知らせは以上になります。


 良き高校生ライフになることを生徒会一同、願っております。



 生徒会広報


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 友達感覚で書かれた文章の続きを読んで、周囲がざわついていた理由がわかった。

 

 そう、オレたちは甘く見ていたのだ。


「どういうことだよ……」

「……退学者??」


 入学式のときの、たった一言に込められた意味を。


「プレゼントって……」


 やっと理解し始めたのだ。


「新たな生徒会則?」


 生徒会則の本当の恐ろしさを。

 

「『生徒会則が関わる事例において、クラス内からだれかを選ばなければならないとき…』」


 そして、変わったのだ。


「『その最終決定権はクラス代表が持つものとする……』」


 このクラスのヒエラルキーが。


次回は、はなしです

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