25.ガイ・リッチー「ヤング・シャーロック」(2026・アマプラ限定)
またまたご無沙汰しております。
自称、異世界恋愛ミステリ推進協議会事務局、琥珀でございます。
現在、個人企画「春の異世恋推理'26」を開催中でございまして、気になる方はぜひ活動報告等ご参照いただきたいのですが、それはとにかく。
私、アマプラ民なのですが、気がついたら、「ヤング・シャーロック オックスフォード事件簿」とかいうドラマシリーズが公開されており、一応シーズン1、8エピソード見終わったのでご紹介なのです。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0F54NBL3S
監督&制作はガイ・リッチー。いうて、彼自身が監督しているのは3作分で、共同制作くらいの感じですかね。
なんにせよ、ロバート・ダウニー・Jr.がホームズを演じた「シャーロック・ホームズ」(2007)、「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」(2011)を撮ってる人です。
なので、キレキレおばかスタイリッシュアクション方向なんやろなと思いつつ、見てみました。
頭キレキレ、手癖もキレキレ?なシャーロックは、あちらこちらでやらかして、放校くらいまくり。
スリで逮捕されて、刑務所へ。
外務省の下っ端官僚をやっている兄のマイクロフトが迎えに来てくれたものの、オックスフォードに入れてやると言われて連れていかれたら、学生じゃなくて下っ端使用人枠。
ちょうど、マイクロフトがオックスフォードであれこれ仕事があるので、手元で監視する算段もあるっぽいです。
ちなみに、化学者の父親は長期海外出張中、子供の頃、妹が事故死したのをきっかけに精神を病んだ母親は精神病院にいるという色々しんどい事情もあるようです。
オックスフォードで、シャーロックは、中国から留学している寿安公主、学生のジェームズ・モリアーティと親しくなるのですが、あれこれあって大変なことに…!という展開です。
★良いと思ったところ
・美術と衣裳
めっちゃいいです。19世紀後半のファッション、風俗、生活ぶりとか。
ドレスも素敵なのがいっぱい出てくるし、下町みたいなところも出てくるので、一般庶民の衣裳も見れます。
ちょいちょい群衆シーンもあり、お金かかってるな感もある。
って、このへんは、私はそんな詳しくないので、早瀬先生とかジャガイモ探偵先生など識者に評価していただきたいところですが。
5話くらいの、ホームズの実家の夜の場面、暖炉のあかりと、あちこちのランプの灯りで薄暗い部屋の様子とか、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』思い出しました。
暖炉って、採光の道具でもあるんだなと改めて気が付きました。
・シャーロックとモリアーティの対比
2人は色々共通点もあり、お互いがお互いを巻き込むような形で友情を結んでいくんですが。
色々あったにせよ基本、資産家のボンボンであるシャーロックは、まだ楽観的というか、どっか性善説的なところで動いてる。
一方、おそらく牧師の孤児かなにかで、奨学金取りはぐれたらそこで人生詰んでしまうモリアーティは社会に対する強い怒りを持っていること、シャーロックよりも反社会性が強いことがあちこちで描写されています。
・シャーロキアンくすぐり小ネタ色々
まあこれは自分で見つけたいやつですので、バレ自重ですが。
とりま、レストレードが巡査として出てきます\(^o^)/
そして、レストレード巡査のレストレード感がわりといい。
★いやちょっと…これはどうなの…となったところ
・あんまりオックスフォード事件簿じゃない
オックスフォードが舞台なのは、序盤の3話くらいまでなんですよ…
あとは、ホームズの実家まわりのゴシックロマン的なあれこれ…からの世界的な陰謀ガー方向に。
・モリアーティはモリアーティっぽい。けれど、シャーロックは本当にこれがシャーロック・ホームズなのか?
シャーロックが異能ぽく推理するところの描写は良かったんですが、ホームズ兄弟の特性である、もんのすごい人間嫌いっぷりはかけらもなかったんですよね。
まあ原作のシャーロックの女嫌いっぷりを、今の世の中でやるのは無理ゲー感あったりもしますが。
あ、ちなみにマイクロフト、今風の細マッチョでした。まぁまだ20代なかばくらいの設定だから、ここから巨体化する想定なのかもしれませんが。
・中盤からリアリティレベルがどんどん崩壊
バレ直結してしまうので、これも自重なのですが、ゴシックロマン的なあれこれもたいがいなのですが、陰謀ガーになると、ちょっと待てええええ!?という事案がごろっごろと。
「なんのためにそんなことをわざわざしたのかわからない」「そんなことをするためには、くっそお金かかったはずだけど、資金はどこから?」「設定がいくらなんでも無理ゲー」「いやいやいや、そんなキャラクター設定ありえへん。いくらなんでもありえへん」「いやその化学物質、その環境でどうやってアレしたのよ」「てか、なんで拠点をそこにしたん? ホームズ作品とゆかりのあるボヘミアくらいにしとけや」などなど、盛大にもにょる破目になってしまいました。
ま、中国の公主がオックスフォード大に留学しに来るって時点で、もうめちゃくちゃなのでアレなんですががががが…
まあ、オリジナルも、リアリティレベルが概念ごと吹き飛んでる作品も結構あるので、これはこれで原作リスペクトなのか?とも一瞬無理やり思ってみましたが、やっぱりないわーないわーアンドないわーです。
これからご覧になる方は、そういう作品であることをお含みおきください…
・コリン・ファースのムダ遣い
ぼへーと見ていて、あれ?これ、コリン・ファースクレジットされてたけど、どこ??と思ってたら、小物感丸出しのエラい人役だった…
いや、コリン・ファースなので巧いですよ? ちょっとわからんかったくらい巧い。
けど、せっかく彼が出るなら、彼をラスボスに持ってきた方が良かったのでは感否めない…
とりあえず、彼の魅力が大☆炸☆裂!しておる「キングスマン」か「裏切りのサーカス」をめっちゃ見たくなりました…
ガイ・リッチー版「シャーロック・ホームズ」がそこそこ好きな自分でもコレなので、合わない方もそれなりにいらっしゃるかも…と思わないこともないのですが、まぁ、美術と衣裳は良かったデス…
というか、シーズン1全体のお話が完全にnot for meだったのが最大の問題だったので、そのへん気になさらない方は大丈夫なのかな…
とりま、シーズン2も制作決定しているそうなので、配信されたら一応見てみるかな…とは思います。
原作では、シャーロックもモリアーティも大学出ている設定だったと思うので、今度こそ「オックスフォード事件簿」をやってほしい…
でも、シーズン1でコレをやったら、シーズン2も世界的な陰謀ガーになるんやろな…
というわけで、超煮えきらない感じのご紹介ですが、ご査収ください!!(ぶん投げ)




