①ニュース報道
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第6章では、構造は外部から切り離された。
接続は途切れ、中心は失われ、それまで機能していた判断の体系は、停止したように見えた。
だがそれは完全な消失ではなかった。
構造は、消えていない。
それはもはや、どこかに存在するものではなく、個々の内部に残り続けている。
判断の順序。
選択の基準。
優先の感覚。
それらは、共有されることなく、説明されることもなく、ただ、それぞれの中に定着している。
そしてその状態は外部の構造を必要としない。
第7章では、その痕跡だけが残された世界が描かれる。
構造が消えたあと、それでもなお残り続けるものが、どのように存在し続けるのか。
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静かなニューススタジオ。
抑えた声で、キャスターが原稿を読み上げる。
「世界的IT企業サイバーサイジング社のCEOでもあり、創業者夫妻が暗殺され死亡した事件を受け、キッザニア東京は本日、公式に追悼声明を発表しました。」
画面には、キッザニア東京の外観。
そして、封鎖された日本サイバーサイジング社パビリオン前に設置された献花台の映像が映し出される。
「創業者夫妻は2014年よりキッザニアとの共同プロジェクトを進め、2019年に開業した教育パビリオンの中核を担っていました。」
花束。
折り紙。
子どもが描いた似顔絵。
それらが静かに並べられていく。
「キッザニア側は『子どもたちの未来に真摯に向き合った存在だった』とコメントし、施設内では献花台が設置されるなど、来場者による追悼が続いています。
一方で、今回のいわゆる『サイバーサイジングショック』の影響は、世界各地の企業活動にも広がっています。」
映像は、各国の顧客企業ビル、閉鎖された施設、停止したシステム画面へと切り替わる。
「同社の顧客企業の中には、混乱の中にありながらも、キッザニア東京と同様に追悼声明を発表する企業や、社内外で追悼会や献花を行う動きも確認されています。」
次の映像。
日本のとある顧客企業で静かなロビーに置かれた献花台。
顧客企業の社員たちが無言で頭を下げる。
「一方で、影響の大きさから、対応に追われ、公式なコメントを発表できない企業や、あるいは、あえて沈黙という形でこの事態に向き合っている顧客企業も少なくありません。」
さらに別の映像。
暗いオフィス。
点灯しないモニター。
「中には、システム停止や業務継続の困難により、追悼どころではない状況に置かれている顧客企業もあるとみられています。」
一瞬、言葉が途切れる。
キャスターは、わずかに息を整える。
「今回の出来事が社会全体に与えている影響の全容は、いまだ明らかになっていません。」




