①突然封鎖されたパビリオン
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第5章では、構造は完成していた。
それは問題なく機能し、判断は正しく統合され、参加した者の中に、確かな形として残っていた。
異常は検出されていない。
不具合も報告されていない。
すべては、予定された通りに進行していた。
だが、その成立は、安定を意味していなかった。
むしろその時点で、一つの条件が満たされている。
構造はすでに、その中心に依存しない形で成立していた。
それはまだ、誰にも認識されていない。
だが確実に、その状態は維持されている。
そして次に起きるのはその中心そのものの消失である。
第6章では、外部からの断絶という形で、この構造が一度切り離されることになる。
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そして翌日。
その一角だけ、空気が違っていた。
暗かった。
照明が落ち、シャッターが閉じられたままのパビリオンの前に、人が集まっている。
「ねえ、あれ……」
母親に手を引かれた男の子が立ち止まる。
入口の上に掲げられたロゴ。
日本サイバーサイジング社。
昨日まで、笑い声があった場所。緑の制服のスタッフが手を振り、サイバードロイドが動いていた場所。
そのすべてが、止まっていた。
「今日はやってないの?」
男の子が尋ねる。
「……申し訳ありません」
スタッフは困ったように微笑む。
「現在、こちらのパビリオンはご利用いただけません」
「なんで?」
「それが……私たちにも分からなくて……」
ざわめきが広がる。
「本社に連絡は?」
「丸の内も、アメリカも……つながらない状態でして……」
「ねえ」
男の子が母親の袖を引く。
「日本サイバーサイジング社、もうできないの?」
母親は答えられない。
何をどう説明すればいいのか、分からなかった。
「また今度できる?」
その問いに、未来があるのか分からなかった。
「……」
男の子は少し考えて、
「そっか」
とだけ言った。




